20年以上の実績を持つ美容外科専門医。丁寧で繊細な施術でお客様の望む実現を目指す。 「お客様のもつ本来の美しさを引き出す」ことをモットーに「もとび」美容外科クリニックを設立。
【パッチリした二重になりたい】埋没法と切開法、メリット・デメリットを改めて比較してみました
作成日:2025.6.23
二重整形には切る方法・切らない方法がありますがどちらを受けるべきか悩む方もいるかと思います。
今回のコラムではそれぞれのメリット・デメリットや仕上がりの違いについて比較していますので、是非参考にして下さい。
目次
二重埋没法と切開法について
二重埋没法と二重全切開は二重を作る手術なので二重術と呼ばれています。
二重の仕組みについては、以前のコラムでも解説してるのでおさらいになりますが、瞼は皮膚側の前葉と眼球側(粘膜側)の後葉に分かれます。
後葉は瞼を開ける力がかかる部分です。
ポイントは、目を開く力は、まぶたの裏側にかかるところにあります。
一重の方はこの前葉と後葉に連結がないのでそのまま目が開きますが、 二重の方は前葉と後葉が二重の部分で線維性の組織で連結しています。
目を開くと後葉が引き上がりますが、繊維で連結している皮膚が引き込まれて折りたたまれて、そこが二重になります。
二重術では、この前葉と後葉を連結する組織を作ってあげて二重を作る手術になります。
二重埋没法
二重埋没法では図のように糸で結んでしばることでこの連結を作ります。
二重埋没法は切らずに糸で二重を作る施術のことです。
切らないので傷が残らず、ダウンタイムは比較的短いのが特徴です。
価格も比較的リーズナブルな施術と言えます。
二重全切開法
二重全切開では図のように、切開したり中縫いしたりして癒着させることでこの連結をしっかり作ります。
また、組織を減量することで折り目をつきやすくもしています。
全切開法は、厚ぼったくて埋没法では二重になりにくそうな重いまぶたの方に適しています。
筋肉や脂肪などのボリュームを除去して二重の折り目をつきやすくし、瞼板前組織や挙筋腱膜とまぶたの真皮や眼輪筋にしっかり中縫いして連結させ強固な二重をつくります。
二重埋没法と二重全切開がどんなことをする手術か少しイメージできましたでしょうか。
二重埋没法のかけ方
二重埋没法は切らずにおこなうのでプチ整形と呼ぶ方もいます。
ちなみに二重埋没法の糸のかけ方は現在多くの種類が行われていますが、基本は先ほどのように前葉と後葉を連結させるものなので大きくは変わりませんが腫れやすさや戻りやすさで多少の違いがあります。
日本で一番多いのは2点止めや3点止めなど簡単でシンプルな埋没法です。
当院では点止めより安定しやすい連結止めが人気です。
・もとびアイライト(2点連結止め)
そもそもなんで埋没法って呼ぶの?
余談ですが、二重埋没法ですが、なぜ埋没法と呼んでいるのかと言えば、例えば2点止めの場合、図のような糸のかけ方をしますが、ぎゅっとしばると点になって皮膚の下に埋まって埋没されるので二重埋没法と呼ばれています。
この二重埋没法ですが、二重の切開法を比べると日本では埋没法をおこなう方が圧倒的の多くて、8割くらいは二重埋没法をおこなっていると言われています。
海外では逆に二重の全切開をおこなう人が多いです。
埋没法と全切開のメリット・デメリット
それでは二重埋没法と全切開法のメリット・デメリットについて比較していきたいと思います。
埋没法のメリット・デメリット
まずは二重埋没法のメリット・デメリットについてです。
メリット
・切らない、傷が残らない
・ダウンタイムが短い
・修正しやすい、時間が経っていなければ抜糸して戻すことも出来る
・安い、手術時間が短い
・幅のかなり広いラインも可能
デメリット
・戻るリスク
・適応のない人がいる(シュミレーションで二重がつかない人、くぼみ目の人、眼瞼下垂が強い人)
全切開のメリット・デメリット
次に全切開のメリット・デメリットです。
メリット
・戻りにくい安定したラインを出せる
・同時にハム目感やくぼみ目、眼瞼下垂を改善させることができる。また、同時にROOFや眼窩脂肪、少しだがまぶたのたるみを切除することができる
・目頭切開と同時におこなうと平行型の二重にかなりなりやすくなる。
デメリット
・ダウンタイムが長い(1か月)
・戻りにくいぶん戻しにくい(修正が簡単ではない)
・食い込みが強くなることがある
・傷が残る、組織を切除しすぎると凹凸のリスク
・全切開単独の場合眼瞼下垂悪化のリスク(眼瞼下垂の手術を同時におこなう方は多い)
・広すぎる二重は作れない(解剖的に作れる幅は限界がある。目を閉じた状態でまつ毛の生え際から基本10㎜くらいの高さまで)
※切開すれば無理な広いラインでも作れると思っている方がいらっしゃいますがそれは間違いです。全切開は10㎜までで、無理なラインは、二重埋没法であればある程度作ることができます。
症例写真
具体的に埋没法と切開法の症例写真をみていきましょう。
埋没法の症例
まずは埋没法の症例を紹介していきます。
埋没法①
(術前)⇒(術後) (閉眼)



まず一人目の方です。
この方は目頭切開もしていますので目の横幅も出て目が全体に大きくなっています。
術後はふたえははっきりめですが自然な感じですね。
閉眼時の画像を見てください。
二重のラインの食い込みなどもなく、自然で目立ちませんね。
埋没法なので、目を閉じたときの食い込みは少ないですね。
ただ、広めの二重なので目を開けた状態ではやや食い込んだはっきりした二重になっています。
埋没法②
(術前)⇒(術後) (閉眼)



次は二人目の方です。
2人目の方は、術後は自然なやや狭めの二重になっていますね。
目を閉じると二重の部分にややラインの癖があります。
瞼にややたるみがある方でしたが、そのような方では閉眼時もやや二重のラインの癖が残ることがあります。
整形をしていないもともと二重の方でも、閉眼時に二重ラインの線がある方は多くいらっしゃいます。
なので、閉眼時の状態は決して不自然ではなく、自然だと思います。
全切開の症例
次に全切開法の症例を紹介していきます。
二重全切開①
(術前)⇒(術後) (閉眼)



ややはっきりめの二重を作りました。
やや広めの二重なので少し二重のまつ毛側に厚み感がありますね。
ラインが深くはっきりしていますね。
二重が広いと埋没法で二重にしたとしてもこれくらいは深くなります。
閉眼時の画像では、よく見ると少しラインに沿って凹みの影があるのが分かります。
ぱっと見は目立ちませんが、全切開では二重のラインがより深くなりますので目を閉じたときにやや凹みの影ができることがあります。
二重全切開②
(術前)⇒(術後) (閉眼)



この方は目頭切開をしていますので二重が広くなり目の幅も広くなったことで目全体が大きくなりました。
二重はしっかりついていますが自然ですね。
自然な二重幅なら、埋没法でも全切開でも仕上がりは自然になります。
埋没法であっても全切開でも仕上がりはあまりかわらないかと思います。
閉眼の画像を見ると全切開ですがそれほど二重のラインは食い込んでいませんね。
全切開をしたことはバレにくいかと思います。
二重全切開でもこのようにあまり食い込みが出ない方も多いです。
二重全切開③
ちなみに、二重の全切開をおこなった方の画像をもう一つ見てもらおうと思います。
(術前)⇒(術後) (閉眼)



この方もやや広めのはっきりめの二重を全切開で作っています。
もともと厚みがあるのでやはり食い込み感・ハム目感が若干出ます。
ラインは若干深い感じはしますが、二重埋没法をしたとしても同じような感じかと思います。
閉眼時を見ていただくと、二重のラインがわかりやすいですね。
実はこの方は3か月後の画像で、傷に色素沈着があるのでラインがよりはっきりしています。
半年、1年経てばもっと目立たなくなります。
また、閉眼時のラインは、食い込みがややああり、その影もややあります。
二重の切開法では、目を閉じるとこれくらいかもう少し目立たないくらいで二重のラインの影が見える可能性はあります。
それぞれの術式での仕上がりの違い
症例写真でおおまかなイメージは分かっていただけましたでしょうか。
基本的には、埋没法を全切開も、同じ条件で二重を作った場合は、どちらも完成すれば同じような仕上がりで、大きくは違わないと思ってもらうと良いと思います。
ただ、二重の全切開は眼輪筋を切除したりしてラインを深く戻りにくくつくりますので、ラインは深くなる傾向はあります。
また、目を閉じたときは若干食い込みができる可能性はあります。
逆に二重埋没法では、組織を除去したりしませんし、ラインがなじんで浅くなりやすいため、全切開に比べてラインは浅くなりやすい傾向はあります。
埋没法と全切開では、見た目の仕上がりは大きくは違いはありませんが、二重全切開の方がラインが深くなりやすいという認識で良いかと思います。
あとは、全切開の場合、先生によっては、戻りにくくしようとして眼輪筋などの組織をたくさん切除する先生がいますが、切除すればするほど二重のラインは深くなり、凸凹してきます。
そうすると、戻りにくくはなりますが、必要以上に食い込んだり、目を閉じると凸凹して不自然感が出てしまいます。
自分にはどちらの術式が合ってるの?
メリット・デメリットや症例写真を見比べても実際ご自身がどちらを選ぶべきかは迷ってしまうと思います。
どんな人が埋没法・全切開が合っているのか説明します。
二重埋没法が合っている人
・切りたくない人
・ダウンタイムが長くとれない人
・気に入らなければ戻せる方法が良いという人
・かなり幅広の二重を希望されている人
二重全切開が合っている人
・シュミレーションで二重がつきにくい
・二重を戻りにくく安定させたい人
・くぼみ目や眼瞼下垂もあるかた(同時に改善させることができるため)
・同時にROOFや眼窩脂肪などのボリュームを減らしたい方
・二重を狭くしたいかた(二重は広いラインが勝つので上のラインを消さないと狭くできないため)
二重術で瞼の厚みはとれない
余談になりますが、二重全切開をおこなえばどんなこともたいていできると思っている方がいらっしゃますが、そうではないです。
もちろん二重全切開は眼瞼下垂を治したり、脂肪を切除したり、くぼみ目を改善したり同時にいろいろおこなうことができる良い手術です。
ただ、前に言ったように、全切開では作れる二重幅の上限は決まっています。
あとは、全切開で瞼の厚みをとってすっきりできる思っている方も多いですが、基本的にはあまり期待はできないです。
もちろん眼窩脂肪やROOFなど深い所のボリュームを切除して減量はできますが、深い所のボリュームですので見た目の効果には限界がありますし、後々くぼみ目になるリスクがあるので慎重に行う必要があります。
全切開では、見た目の厚ぼったさにダイレクトに影響する浅い所の皮膚や筋肉の厚みを減らすことはできません。
埋没法だろうが、全切開だろうが二重を作ったり二重を広くするほど見た目の厚ぼったさは増してしまいます。
まぶたのボリューム感をダイレクトに減らすには眉下切開が必要です。
よくYouTubeや他のコラムでも話させてもらっていますが、二重術を考えていて、自然な二重にしたい方は、まず眉下切開の適応がないかを考えていただくことをおすすめしています。
この辺りはコラム「眉下切開と二重全切開のどちらを選ぶべきか」でも解説しているので参考になさってください。
まとめ
埋没法はダウンタイムが短いとか、切開法は戻りにくいとかいった何となくのイメージはあるかもしれませんが、他にも、それぞれ手術のメリット・デメリットとか、細かな違いについて知っていただければうれしいです。
違いを知ってもらった上で、ダウンタイムや戻りにくさなど何を優先するかで納得できる手術を選んでいただければと思います。
また、二重を安定させるには二重術単独では難しいこともしばしばあります。
くぼみ目や眼瞼下垂がある方はまずそちらを治さないと安定した二重を作ることは難しいです。
あとは、たるみや厚みがある方は、無理やり二重を作っても不自然な二重になってしまう可能性がありますので、眉下切開で瞼をすっきりさせてから手術をおこなうのがおすすめです。
二重を作ると言っても奥が深いです。
自分が何をしたら良いかわからない場合は、カウンセリングで最適な治療をアドバイスさせていただきますので是非ご利用ください。