20年以上の実績を持つ美容外科専門医。丁寧で繊細な施術でお客様の望む実現を目指す。 「お客様のもつ本来の美しさを引き出す」ことをモットーに「もとび」美容外科クリニックを設立。
【眉下切開】術後の傷跡を目立たなくするために重要なこと【術者の技量と過ごし方】
作成日:2025.5.29
目の上のたるみ・厚みを気にしている方、自然な感じで二重を広くしたいという方で眉下切開を考えている方、いらっしゃるかと思います。
ただ、眉下切開は二重埋没法などと違って切開するので怖いとか、傷跡が目立つんじゃないかと心配している方も多いかと思います。
眉の下の傷というのは完全になくなるわけではありませんが、きちんと手術をおこなえばかなり目立ちにくく治りますし、ダウンタイムも1週間ほどなので、お若い方にも非常に人気の施術になっています。
今回は、眉下切開の傷跡を心配されている方向けに、眉下切開の傷についてのお話をさせてもらいます。
眉下切開の傷はそこまで心配しなくてもよいんだよということが分かっていただければと思います。
また、傷跡を目立たなくするための術後の過ごし方についてもお話ししようと思いますのでご参考ください。
目次
眉下切開とは
さて、眉下切開は、眉の下を切開して上瞼のたるみを切除する手術です。
イラストのように眉の下のたるみを切除しますが、傷跡は下の画像のように眉の下に来ます。
傷は消えることはありませんが、うっすら白っぽくなって かなり目立ちにくく治ります。
眉の外側では下方向に毛の流れがあるので、傷は眉に隠されてかなり目立ちにくくなります。
ただ、眉頭側では、毛の流れは上や横向きなので傷がうっすら見える場合があります。
あとは、眉が薄い方や外側の眉を抜いてしまっている方もたまにいらっしゃいますが、傷が眉毛で隠れにくくなるので、眉のある人に比べて傷が見えやすくなる傾向があります。
ぱっと見で明らかに目立つというわけではありませんが、うっすら白い部分があるといった感じなので、メイクなどでカバーしていただければほとんど見えなくなります。
こんな感じの切開するわりには目立ちにくくなる眉下切開の傷ですが、 やはり傷の心配されている方は多いため、当院ではなるべく傷が目立たない様に工夫して手術をおこなっています。
眉下切開の傷を目立たなくさせるための工夫
傷を目立ちにくくする当院の工夫を4つお話しすると、
①毛包斜切開⇒毛根を斜めにカットしてなるべく毛根を温存します。
傷が治ると共に傷の部分から毛が生えて傷が目立ちにくくなります。
②眉下切開は眉ごと切る⇒特に外側は眉をやや厚く切りこんでいきます。
単純に眉下切開だからといって眉の下のラインに沿って切る先生がいますがそれだと傷が眉の下に出て目立ってしまいます。
眉に少し入るようデザインするのが大事です。
③デザインが重要
デザインを適切におこなわないと、ドッグイヤーができたり、傷に無理な力がかかって汚くなったり、縦じわが出やすかったり、二重がいびつになったり、目が閉じにくくなったりなどのいいろなリスクが出てきます。
当院では、多くの症例の経験から適切にデザインして手術をおこなっています。
④丁寧に縫合⇒丁寧に傷を縫い合わせるのは基本です。
傷に離れる力が加わると傷は汚く治ってしまうので、当院では中縫いの段階でしっかり傷を寄せています。
この画像を見ていただくと、デザインは左端の感じで、中縫い後は真ん中の画像、最後の皮膚の外縫いは右の画像になりますが、最後に皮膚を縫い合わせる外縫いをおこなう前に、中縫いでしっかり傷をよせているのが分かります。
傷に力が加わらないときれいに治りやすくなります。
また、中縫いの際は毛根を傷つけないように丁寧に中縫いをおこなっていますし、皮膚の切開方向とか厚みの差を考慮して縫い合わせています。
他にも細かな注意点はありますが、 当院では、このような感じで傷をきれいにするために工夫して眉下切開をおこなっています。
カウンセリングにいらっしゃる方で他院で眉下切開をおこなっている方をしばしばお見掛けするんですが、きれいに治っている方もいらっしゃいますが、傷跡がかなり目立ってしまっている方もいらっしゃいます。
あまりこちらからお話はしませんが、もう少しうまくできなかったのかなと同情してしまうこともあります。
もちろん傷の治り方には体質もありますが、明らかにきちんとした手術をすれば回避できたのにという傷というのもあります。
眉下切開の傷跡が目立ってしまう原因としては、先ほどいったようなデザインの問題だったり、きちんと丁寧に縫合していないとかそういった原因が考えられます。
縫合をきれいにおこなうには技術と丁寧さが必要なんですね。
精度を上げずに適当に縫ってしまうと傷は目立ちやすくなってしまいます。
当院では他院で眉下切開をおこなって傷跡が目立ってしまった方の修正もおこなっています。
修正手術は皮膚に余裕があれば可能なので気になる方はご相談ください。
眉下切開の傷の経過
次は、眉下切開の術後の経過も皆さん気になるところだと思いますので、経過についてお話させてもらいます。
ある症例の方の傷の経過を見てもらいながら解説します。
眉下切開は切って縫う手術ですので手術のあとしばらくは目立ちます。
手術直後の傷はこんな感じです。
眉の下に外縫いの黒い糸や傷の赤みなどがあり、目立っていますね。
ちなみに、外縫いの糸はオプションで透明の糸で縫うことも可能です。
黒い糸よりは目立ちにくくなりますが、傷の赤みは残りますので 人からは分かると思っていただいた方が良いです。
直後は瞼も腫れています。腫れは翌日~3日がピークで腫れてだんだんひいていきます。
抜糸は1週間後ですが、最短で5日後に可能です。
抜糸直後はこの画像のような感じです。
抜糸した直後なので傷は赤く、少しかさぶたも付いています。
腫れは1週間でかなり落ちつきます。内出血は黄色く出ます。 抜糸の翌日からメイクしていただけますので、内出血や傷の赤みに関してはカバーが可能です。
なので、眉下切開のダウンタイムは1週間くらいでみてもらっています。
更に経過を見ていただきますと、これは1か月後の画像です。
1か月くらいは、傷に赤みとか硬さがあり、ごつごつ感もあったりします。
ノーメイクだとやや赤みがあるので、メイクでカバーしていただくと良いです。
傷は3~6か月は赤みがありますが、だんだん白く抜けて目立たなくなっていきます。
ちなみに、今回の症例の方の6か月後の画像です。
傷はどこを切ったのか分かりにくくて目立たなく治っていますね。
こんな感じで完成は半年以降ということになります。
眉下切開の傷の経過はこんな感じですがイメージはつきましたでしょうか。
術後の過ごし方
それでは、次に、傷跡を目立たなくするための術後の過ごし方についてもお話しさせていただきます。
まず、術後はたばこは絶対に吸わないでください。
人が吸っているたばこの煙も吸わないようにしてください。
最低1か月はやめた方が良いですが、傷をきれいに治すためには、傷が完成する半年くらいまではたばこは吸わない方が良いです。
たばこは傷の治りを悪くしますし、感染を起こしやすくなったりするので、傷が汚く治ってしまうリスクが高いです。
あとは、注意点としては、半年以内の傷が赤いうちは紫外線に当てないようにして下さい。
長く外に出るなら日焼け止めを塗ったり、帽子や日傘を使用する方が良いです。
赤い傷に紫外線を当てると炎症が強くなり、色素沈着を起こすことがあります。
また、あまり傷をこすったりして刺激も与えないようにしてください。
赤いうちは軽めにメイクにして、あまり頑張ってメイクを落とそうとせず、こすらないようにした方が良いでしょう。
可能であればですが、メイクもしないで傷を刺激しないのがベストではあります。
傷が赤いうちは乾燥しやすく、かゆみが出たりしやすいので、なるべくかかないようにして、ワセリンを塗ったりするのも良いかと思います。
傷は閉じていますので軟膏は塗らなくても良いですが、乾燥させない方がかゆみもでにくいですし、かゆみが落ち着くまでは保湿をしていただくのも良いかもしれません。
あとは、傷をなるべく予防したいという方は、リザベンやトラニラストという飲み薬を飲んでいただいて肥厚性瘢痕を予防していただくという手もありますので、傷跡が残るのが心配な方は内服するのも良いと思います。
ただし、そこまでしなくてもほとんどの方は傷はきれいに治ります。
また、今リザベンやトラニラストは入手しにくい状態ですので、欲しくても購入できない可能性もありますのでクリニックにご確認ください。
ダウンタイムの過ごし方
ちなみに、傷というわけではありませんが、ついでに、眉下切開の腫れや内出血を早く減らすための過ごし方についてもお話ししますと、 頭を低くするとまぶたが腫れやすくなるので、とくにむくみやすい2,3日はなるべく頭を高い位置にして寝たりすると良いかと思います。
あとは、なるべく患部は冷やした方が、ダメージや炎症が軽減されて痛みや腫れを抑えることができます。
心配な方は、2,3日は患部を冷やしていただくと痛みや腫れが軽減する可能性があります。
保冷剤などで冷やすのも良いですし、眉の近くのおでこに冷えピタなど貼る程度でも多少は効果はあるかと思います。
あとは、腫れにくくするためには、1週間はお酒やラーメンなど塩分の多かったりむくみやすい食べ物は控えた方が良いです。
運動したり、無理をしたり、サウナ・長風呂などで血流が良くなると、腫れたり、内出血したりするリスクがあるので、最低1週間はしない方が良いです。
激しい運動は2週間後以降におこなってください。
と、いろいろと術後に気を付けることを話しましたが、基本的にお顔は、とくに目周りは、血流が非常に良い部分なので、傷は早く治りやすいですし、放っておいても勝手に回復していきます。
術後は、あまり無理をしないように心がけるくらいにして、ダウンタイムはゆっくり楽しむくらいで思っていただくのが良いかなと思います。
傷跡を隠す方法
では、次は傷のごまかし方についてお話しさせていただきます。
傷跡は1か月くらいは赤みが強かったり、硬くてごつごつしていたりします。
なので、先ほど言ったように、1週間後の抜糸の翌日からメイクが可能ですので、コンシーラーを塗ったり、眉を書いたりして傷をカバーしていただくと良いです。
あとは、メイク以外の傷のごまかし方ですが、まず目周りの手術で鉄板なのは、眼鏡やサングラスですね。
フレームの大きい、縁が太い物がよりごまかしやすいかもしれません。
あとは前髪ですね。前髪をおろすことで目元や眉がごまかされるので ばれにくくなるかと思います。
前髪ぱっつんもよいですね。
術後半年以上経って傷の赤みが落ち着いたら、傷はかなり目立ちにくくはなっていると思いますが、アートメイクを入れると傷がさらにごまかされて良いかと思います。
最後に、術後の注意点ですが、毛嚢炎と言って傷の一部が赤くなったり、腫れたりしてニキビのようになったりすることがあります。
その場合は早めにクリニックを受診してください。
炎症の原因の毛根や中縫いの糸を抜くことで治ります。
あとは、傷のところに白い粒ができることがあります。これは稗粒腫と言うのですが、傷のところに皮膚の角質がたまって白い粒になります。
針先でチョンとつついて押し出すとプリっと取り出してなくすことができますので、こちらもクリニックを受診してください。
以上が術後の過ごし方や注意点になります。
症例写真
それでは、最後に、眉下切開の症例写真を傷に注目して見てもらいます。
YouTubeの動画でも傷の症例写真を挙げていますが、そちらも参考にしてもらえればと思います。
症例写真1
(術前)→(術後)


まず一人目の方です。
この方は術前はややしっかりめの太めの眉をしていました。 特に外側で眉の下まで毛が広がっていますね。
眉下切開では、眉の下を紡錘形に切りとりますが、この画像のようにたるみの強い眉の外側の幅を特に広く切除します。
なので、術後は眉外側の下に広がっていた毛はかなり減ったのが分かるかと思います。
眉下切開の切除は、通常、眉は外側中心に細くなります。
それでは、眉下切開の症例写真を傷に注目して見てもらいます。
今回の方も、眉がもともと太かったため、眉に入り込んだデザインになり、外側中心に眉全体が細くなりました。
眉下切開をおこなったことで、眉の下の毛を沿って眉を整えるような効果も出ましたね。
傷に関して見てみると、眉毛が傷にかかったり、傷から眉毛が生えたことなどで、かなり目立ちにくく治っています。
どこを切ったか近くでよく見てもあまりわからないのではないかと思います。
ちなみに、眉下切開の効果を見てもらうと、術後は瞼の厚みが減ってスッキリして、二重も自然な感じで広くなったのが分かります。
症例写真2
(術前)→(術後)


2人目の方です。 この方も傷にをよく見ると、あまり目立ちませんね。
言われてもよくわからないくらいの傷かと思います。
眉毛が傷にかかったり、傷から毛が生えたりして目立ちにくくなっています。
この方も術後は眉が外側中心にやや細くなっています。
眉下切開の効果としては、まぶたの厚みもとれて、二重も自然な感じで広くなって目元がすっきり明るくなりました。
眉下切開の効果もしっかり出ています。 傷が目立ちにくくて効果もしっかり出るので眉下切開が若い方中心に人気なのもうなずけます。
症例写真3
(術前)→(術後)


次は3人目の方です。 傷に注目すると、この方も傷は毛に隠されてあまり目立っていませんね。
傷はうっすら白くなってそれ自体でも目立ちにくく治るのですが、それにプラスして下に伸びる眉毛にうまく隠されます。
眉下切開をしたことは人にはわからないかと思います。
効果についても、しっかりまぶたの厚みが減ってすっきりとして、隠れていたまつ毛や黒目が見えるようになって目が大きくなっています。
症例写真4
(術前)→(術後)


次は4人目の方です。 この方はもともと眉毛がまだらで薄くて、眉下切開の傷が見えやすいタイプです。
術後の画像を見ていただくと、傷は目立っていませんが、とくに内側から真ん中あたりで、少し眉の下にうっすら白く傷が見えます。
ただ、眉の下の縁取りなので、他人から見ても不自然には見えないのでバレにくいかとは思います。
すっぴんでこれなので、メイクすればまず傷は分からなくなります。
当院では、眉の外側がない方とか、眉が薄い方でも眉下切開を普通におこなっていますが、傷はけっこう目立ちくく治ることが多いです。
症例写真5
(術前)→(術後)


次は最後の症例の方です。 この方も元々眉は薄めの方でした。
術後の傷に注目すると、眉の下にうっすら縁取りはありますが、傷はほとんど目立たずに治っていますね。
傷から毛が生えたりしていることで目立ちにくくなっています。
この方のようにやや外側の眉下のラインがへの字の方は、うまく紡錘形のデザインと一致しやすくなるので、眉の外側はそれほど細くならないことが多いです。
逆を言うと、元の眉下のラインがカーブを描かずに真っすぐの方では外側が細くなりやすい傾向はあります。
ちなみに、今回の症例の方の眉下切開の効果を見ていただくと、まぶたの厚ぼったさが減ってすっきりしましたね。
二重も自然な感じで広くなって、目元が軽く明るくなったのが分かります。
まとめ
以上が眉下切開の症例写真でした。
今回のコラムをまとめますと、眉下切開の傷というのは、切開やデザイン、縫合をきちんとおこなえばかなり目立ちませんよということです。
当院では眉下切開を多くおこなっていますが、傷を目立ちにくくする工夫をたくさん意識しながら手術をおこなっています。
この前いらっしゃったお客様は、アートメイクをした際に、うちの眉下切開の傷が一番目立たないと言われたので来院したとおっしゃっていました。
他院で眉下切開をおこなったけれど傷が目立ってしまったという方もご相談いただければと思います。
あとは、眉下切開の傷が完成するまでの間のごまかし方とか、傷をきれいに治すための注意点などについてもお話しさせていただいたので手術をお考えの方ではご参考になれば幸いです。
眉下切開は、症例写真でも見ていただきましが傷も目立ちにくく、瞼をすっきりさせて、二重を広く、目も大きくして、さらに将来の、目元が老けにくくなるとても良い手術です。
眉下切開をお考えの方にこのコラムがご参考になればうれしいです。