眉下切開をすると目と眉が近づいて不自然になりますか?
作成日:2024.4.22
眉下切開は当院でも人気の施術で、施術される方は多いですが、眉下切開すると目と眉が近づきすぎて不自然になりませんかと質問されることがあります。
今日はそれについて動画で解説していこうと思います。
眉下切開をお考えの方で、目と眉が近づかないか心配されている方は是非ご参考になさっていただければと思います。
目次
眉下切開とは(復習)
眉下切開とは上図のように、眉毛の下を切開して上瞼のたるみを除去する手術です。
仕上がりは眉を引き上げて上まぶたのたるみを引き上げたようになります。
眉下切開の主な効果には以下の4つがあります。
①上瞼のたるみが取れて目元が軽くなる
②二重が自然な感じで広くなる
③瞼の皮膚や筋肉が引き延ばされて厚ぼったさが減る
④黒目や睫毛の生え際が見えやすくなって目が大きくなる。
眉下切開リスク
そして、眉下切開のリスクには、以下の5つがあります。
①傷が残る
②内側に縦ジワができるリスク
③くぼみ目悪化のリスク
④兎目になるリスク
⑤目と眉が近づく
きちんと適応を見極めれば眉下切開のリスクはほとんど回避できます。
そして、これらのリスクを抑えるために、当院では気を付けて工夫をしながら手術を行っております。
さて、今回は眉下切開のリスクの中の目と眉が近づくというリスクについてこれから解説します。
眉下切開で目と眉は近づくか
眉下切開は目と眉の間の皮膚を中抜きして切除します。
術後は当然眉は下方向に引っ張られ、まぶたは上方向(頭側)に引っ張られます。
なので術後は多かれ少なかれ目と眉が近づく手術ではあります。
症例写真
わかりやすいように症例写真を見てもらいます。
眉下切開の症例写真①
(手術前)
(手術後)
この症例の方は術前は目と眉に距離があってやや間延びして見える感じの方でした。
ただ、眉下切開をおこなうと目が大きくなったのはもちろんですが、目と眉の距離が近づいて間延び感が減ってバランスが良くなったかと思います。
目の上のたるみがある方は、もともと目と眉に距離がある方も多いですが、そのような方では、眉下切開は顔のバランスが整うのでとても良いです。
眉下切開の症例写真②
(手術前)
(手術後)
次の症例の方も術前はやや目と眉に距離があります。
眉下切開をすると、目と眉の距離が近づきましたね。 目元のバランスが良くなったかと思います。
目と眉に距離がある方では眉下切開は効果的なのがわかりますね。
厳密には黒目と眉の位置はあまり変わらない
さて、黒目と眉がダイレクトに近づいてしまうと藪にらみの目という感じで少し怖い印象になってしまいます。
ただ、眉下切開の場合は、目と眉の間の皮膚を切除しますが、目と眉がダイレクトに近づくというよりは、目が大きくなる・二重が広くなることで目と眉が近づいて見えることが多いです。
無意識の眉の挙上癖が強い方や、額のたるみが強い方でなければ、、眉の位置は変わらないかわずかに下がる程度なので、厳密にいうと、眉と黒目(眼球)の位置が直接近づくわけではありません。
目が大きく露出するようになったことで目が眉に近づいたように見えるというのが正しいです。
なので、眉下切開で不自然に目と眉が近づきすぎてしまうことは通常あまりありません。
例えばこの症例写真を見てください。
自然な感じで目と眉が近づいた方
(手術前)
(手術後)
まず、術前後の目と眉の距離に注目してください。
眉下切開後は、目と眉が術前に比べて近づいたように見えます。
よく見てみると、眉の位置に関しては若干下がったか変わってないように見えます。
眉下切開は眉の下の皮膚を切除するので、単純には眉は引き下げられて、上まぶたは引き上げられます。
ただ、上まぶたは皮膚が薄くて柔らかく、引き上がりやすいのに比べて、眉部分は硬いので下まぶたほどど下がりません。
また、切開線は眉に少し入り込んで眉毛の下の部分ごと切除するので、そのぶん眉の位置は少し高くなり、切除による下がりと相殺されてそれほど術後は眉の位置は変わらないことが多いです。
なので、眉の位置はあまり変わっていませんが、二重が広くなり目の開きが大きくなったことで目と眉が近づいているように見えていますね。
眉と瞳孔の位置に注目してみると、術前後でそれほど変わっていません。
つまり、目と眉の位置自体が近づいているわけではありません。
なので自然な感じで目と眉が近づいたように見えます。
自然な感じで目と眉が近づけばお顔のバランスはよくなります。
次は、もともと目と眉が近い方の症例写真も見てもらいましょう。
もともと目と眉が近い方
(手術前)
(手術後)
今回の症例の方は目と眉が近いということで他院さんでは断られるところがあるかもしれません。
ただ、眉の挙上癖もなく、ご本人にも目と眉がもう少し近づいてしまうリスクを納得されて眉下切開を行いました。
で、結果はどうでしょうか。
目と眉は相変わらず近いですが、不自然に近くなった感じはありませんね。
術後はたるみが取れて二重幅広くなって目が大きくなりました。
眉は外側中心に若干下がっていていますが、位置的にはそれほど下がっていないかと思います。
目と眉の距離に注目すると主に二重が広くなったぶんで目と眉が近づいているのがわかります。
眉がぐっと落ちてくるというのでなければ、二重が広くなって目と眉が近づいたように見えるのは不自然さはなく、かえってバランスは良くなります。
もともと眉が近い方でも手術が可能なことが分かっていただけるかと思います。
額にたるみがある人は注意
眉の挙上癖がある方は眉下切開をするとまぶたが軽くなり、眉を上げる必要がなくなって眉が下がってくる可能性があります。
ただ、それは持ち上げられていた眉が落ちて、本来の目と眉の本来の位置に戻っていくということなので、自然なことであって近すぎて不自然ということはないかと思います。
ただし、注意する必要があるのは、年配の方などでおでこのたるみも出てきている方です。
そのような方ではたるみで眉が下がってきているので、眉の挙上がなくなると必要以上に目と眉が近づいてしまうことがあります。
つまり額のたるみで眉が必要以上に下がってきてしまいます。
年配の方などで、おでこのたるみがあって眉が下がりそうな方などでは、目と眉が不自然に近づきすぎるリスクが出てくるので注意が必要になります。
それは眉下切開だけでなく、目の開きを良くなってまぶたが軽くなる眼瞼下垂の手術でも起こることですので、いずれの場合も注意して行う必要があります。
あとは、お若い方でおでこにたるみがない方でも額を無意識に挙上している方の場合、
額を抑えて本来の眉の位置にして、目と眉が近づいた感じが嫌だというのであれば手術はやらない方が良いです。
まとめ
以上が眉下切開で目と眉が近づいて不自然になるかということについての解説でした。
額のたるみがあまりなければ、通常はダイレクトに眉と眼球の位置が近づくことはありません。
二重が広くなったり、目が開けやすくなることで目が大きくなって眉と近づく感じなので、眉下切開で不自然になることはあまりないです。
ただ、額にたるみがあったり、眉を上げる癖が強い方では、眉が下がりすぎることがあり、目と眉が必要以上に近づいてしまうリスクがあるので慎重に見極める必要があります。
場合よってはお勧めしない方もいらっしゃいます。
ただし、もともと目と眉が近い方でも額の過剰な挙上癖などなければ眉下切開をおこなっても問題ありませんので、あまり目と眉が近づくリスクを怖がらなくても良いかと思います。