眠そうに見える、まぶたが重くなる眼瞼下垂(目の開きが悪い)の改善方法
眼瞼下垂(目の開きが悪い)
目次
眼瞼下垂とは
眼瞼下垂とは上まぶたの開きが悪くなり、まぶたが重くなることを言います。
目の開きが悪くなると黒目の上部が隠れてしまい二重が相対的に広くなり、眠そうな重いまぶたになります。
眼瞼下垂は、おでこを押さえた状態で瞳の中心から上まぶたまでの距離(MRD1)が3.5mm未満の方が眼瞼下垂と言われています。
大まかに瞳孔にかかってきたら中程度、瞳孔の中心を超えてきたら重症と思っていただくと良いです。
眼瞼下垂は左右差があったりもします。
どちらかというと左が眼瞼下垂の程度が強くくぼみ目になりやすい傾向があるようです。
眼瞼下垂を改善する施術は、重症の方の病的な症状を改善するだけでなく、軽度の眼瞼下垂の方でも目の開きを改善して目力を出して目をぱっちり見せることができるため、美容目的でおこなうことも多いです。
眼瞼下垂の治療は、くぼみ目を改善させたり、目の開きが弱い方の二重を安定させるためにおこなったりすることもあります。
眼瞼下垂が改善すると、頭痛や肩こりが改善します。
眼瞼下垂の症状
眼瞼下垂と一言にいっても下記のようないろいろな症状が出ます。
①黒目が上まぶたに隠れる。
目の開き悪くなりまぶたが落ちてきますので黒目が隠れてきます。
目力がなくなり疲れた眠たい印象に見えてしまいます。
重症になると視野が狭くなり生活に影響が出てきます。
②二重が相対的に広くなる。
目の開きが悪くなると二重からまつ毛までの距離が長くなりますので二重が広くなります。
③目がくぼみやすくなる。
まぶたを頑張ってあげようとするため脂肪が引き込まれやすくなります。
また、眉を頑張って上げようとして目の上のボリュームが減るため、さらにくぼみ目になりやすくなります。
④下三白眼になりやすくなる。
目の上の開きが悪くなると頑張って目を開こうとして目の下のまぶたが緊張して引き下がり、黒目の下が全て見えて三白眼になりやすくなります。
⑤おでこにしわができやすくなり、頭痛もおこりやすくなる。
おでこを使って目を開かせようとするため前頭筋が緊張しておでこにしわができやすくなります。
おでこの筋肉の緊張が続くと慢性的に緊張性頭痛になりやすくなります。
⑥肩こりになりやすくなる。
目の開きが悪いと無意識に顎を上げて見ようとするため、筋肉が緊張し肩こりになりやすくなります。
以上が眼瞼下垂の症状ですが、眼瞼下垂が改善すると上記の症状が一気に改善する方向に向かいます。
そのため、眼瞼下垂術を行った方では目の開きだけでなく、上記の他の症状も改善してすごく楽になったと喜ばれる方も多いです。
※まぶたのたるみによる眼瞼下垂(偽性眼瞼下垂)の症状
まぶたの皮膚がたるんでまぶたにかかってくることでまぶたが重くなることもあります。
この場合は直接まぶたの開きが悪くなるのではなく、皮膚がたるんでかぶってくるため、眼瞼下垂ではなく偽性眼瞼下垂と言われています。
二重が狭くなり、メイクがしにくくなります。
まぶたの外側中心にたるんで狭くなってきますので三角目になってきます。
たるみが高度になってくるとこちらも視野が狭くなり日常生活に影響がでてきてしまいます。
また、一重の方では皮膚に折り目がなくまぶたのたるみがダイレクトにまつ毛にかかってくるため同じようにまぶたが重くなりやすくなります。
偽性眼瞼下垂の場合もおでこのしわ、頭痛や肩こりになりやすくなります。
まぶたが重い原因が眼瞼下垂か目の上のたるみかで治療法は違ってきますが、そのあたりについて動画で解説していますのでご参考ください。
眼瞼下垂の原因
まぶたの裏側付近の筋肉や腱膜はまぶたを開く力が伝わる部分です。
まぶたの裏側(後葉)がたるんでまぶたを上げる力が伝わらなくなったり、 また、まぶたを上げる筋肉自体が弱くなると眼瞼下垂になります。
眼瞼下垂の原因としては、加齢によるものやコンタクトレンズの装用によるものが多いです。
加齢や外力により腱膜が伸びたりずれたりしまうとまぶたを開ける力が伝わりにくくなり目が開きにくくなります(腱膜性の眼瞼下垂)。
コンタクトレンズによるものでは、ミュラー筋や腱膜がコンタクトレンズにより損傷して薄くなったり、変性して柔軟性がなくなることで眼瞼下垂になります。
また、目をこすったりする習慣がある人はまぶたの表側も裏側もたるみやすくなり、眼瞼下垂になりやすいと言われています。
これらの眼瞼下垂ではまぶたを上げる力(挙筋機能)自体には異常がないことが多いです。
また、他の原因には自己免疫異常による重症筋無力症や、交感神経や動眼神経麻痺などの神経障害、筋肉の変性によるものなどがあります。
これらはまぶたの力が伝わらないというのではなく、挙筋機能自体が弱くなることによりおこります。
生まれつきの先天性眼瞼下垂というのも比較的よく見られ、神経や筋肉の発達障害といわれており、こちらも眼瞼挙筋の筋力(挙筋機能)自体の低下によります。
多くは片眼性で、遺伝的要素があることが多いです。
※挙筋機能のはかり方
挙筋機能は上まぶたの可動距離で測ることができます。
一番下を見たときの上まぶたのフチが一番上を見たときにどれくらい移動するかを測ります。
この距離は通常15mmくらいですが、10mmを下回ってくると挙筋機能が弱いと言えます。
先天性眼瞼下垂などで挙筋機能が低下している方はまぶたが上がりにくいだけでなく、下方視の際は下垂している方の目はまぶたがあまり下がりません。
眼瞼下垂の改善方法
眼瞼下垂の治療方法は、たるみによる眼瞼下垂(腱膜性眼瞼下垂)なのか、筋力自体が低下している眼瞼下垂なのかで改善方法が違ってきます。
大まかに改善方法は以下のようになります。
腱膜性眼瞼下垂⇒後葉のたるみを取り除く
挙筋機能低下による眼瞼下垂⇒前頭筋の力借りる
加齢などによる腱膜性の眼瞼下垂では、腱膜が伸びたり外れたりすることにより起こりますので、そのたるみを縫い縮めてまぶたに力がきちんと伝わるようにしてあげると改善します。
先天性の眼瞼下垂など目を開ける筋力自体に問題があるものでは、筋膜や腱膜を移植しておでこの力(前頭筋)を使ってまぶたを持ち上げて改善させます。
以下では一般的な腱膜性の眼瞼下垂の治療について詳しく説明します。
腱膜性の眼瞼下垂を改善する方法には切らない方法と切る方法があります。
切らない眼瞼下垂手術
切らずに糸でまぶたの裏側のたるみを短縮することで眼瞼下垂を改善させます。
糸は粘膜の中に入り込んで埋没されます。
手術が短時間で済み、切開法よりダウンタイムも短く、気に入らなければすぐに戻すことができます。
切らない眼瞼下垂のメリット
・短時間の施術で終わる
・ダウンタイムが短い(1週間ほど)
・傷が残らない
・気に入らなければすぐに抜糸して戻せる
切らない眼瞼下垂のデメリット
・眼瞼下垂の程度が強いと効果がでにくい。
・切開に比べると戻りやすさがある。
・まぶたがむくみやすくなったり、二重が不安定になることがある。
切開による眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転術)
二重のライン上を切開してたるんで外れた腱膜を引き下げて(前転して)瞼板に固定し直し後葉のたるみを伸ばすことで、眼瞼下垂を改善します。
挙筋腱膜前転術と言われています。
腱膜だけでは改善しない方はミュラー筋も同時に引き下げて固定することで開瞼効果を高めます。
切る眼瞼下垂手術では、腱膜やミュラー筋を確実瞼板に固定し眼瞼下垂を改善させるため、効果がでやすく長持ちしやすくもなります。
ただ、切開しますので傷が残ったり、戻りにくいぶん修正しにくかったりします。
ダウンタイムが長くなるので長期のご都合をつけていただく必要があります。
挙筋前転術のメリット
・糸に比べると戻りにくい。
・眼瞼下垂が強い方でもおこなうことができる。
・同時に二重を作ることができる。
・同時にたるみを除去したり、まぶたのボリュームを出したり減らしたりすることができる。
挙筋前転術のデメリット
・ダウンタイムが長引きやすい(ダウンタイムは2,3週間、完成までは半年から1年かかります)
・傷が残る。
・修正が容易ではない(再手術は半年以上あける必要あり)
以上のように手術で腱膜性眼瞼下垂は手術で改善させることができます。
切る眼瞼下垂と切らない眼瞼下垂について動画で比較解説していますのでご参考ください。
眼瞼下垂が改善すると目の開きが良くなって黒目が大きく見えるようになり、デカ目効果が出て明るい目元になるだけでなく、くぼみ目・三白眼・肩こり・頭痛などといった症状も改善します。
眼瞼下垂が治るとどういう効果やメリットがあるか動画でまとめましたのがご参考ください。
※まぶたのたるみによる眼瞼下垂(偽性眼瞼下垂)の治療方法
偽性眼瞼下垂は皮膚のたるみが原因ですので根本的には皮膚を切開して除去する必要があります。
眉毛の下を切る方法(眉下切開)と二重のライン上を切る方法(全切開)があります。
また、一重の方や狭い二重の方場合、切らずに埋没法で二重にしたり二重幅を広くすることでたるみを改善することができます。
眉下切開
眉毛の下を切開すると、指でまぶたを持ち上げたように自然な感じでたるみを除去することができます。
眉毛の下の傷は目立ちにくいですし、あとで毛が生えて目立ちにくくなるように工夫します。
目の上のたるみを除去するのは眉下切開が第一選択になります。
全切開
二重のライン上でたるみを除去します。
ただ、上方の厚い皮膚が二重の上に落ちてくるため厚ぼったい不自然な二重になりやすくなります。
ですので、全切開の場合たるみの切除幅は控えめにする必要があります。
挙筋前転術は切開しておこないますので同時にたるみを切除することができます。
たるみが強い人では眉下切開と全切開を組み合わせてたるみをしっかり除去することもあります。
埋没法
糸による二重術で二重を作ったり広くしたりすることで目の上のたるみを解消します。
切らないので傷もつきませんが、たるみの強い方などでは後戻りのリスクがあります。
戻りにくくしたり、たるんだ皮膚にラインを滑らかに作るためには線止めなどが有効です。
まぶたが重い原因と治し方について動画でも解説していますのでご参考ください。
眼瞼下垂手術の注意点
目が閉じにくくなる(兎眼)
目が開きやすくなるぶん、目が閉じにくくなります。
ドライアイの方ではドライアイが悪化しますので眼瞼下垂の手術は慎重に行う必要があります。
まぶたがむくみやすくなる、くぼみ目が改善する
目が開きやすくなり、おでこの緊張が解けて眉がおちてくると目と眉の距離が近づきボリュームが圧縮されるため上まぶたのボリュームが増えます。
くぼみ目の方は改善しますが、まぶたの厚い方ではまぶたが腫れぼったくなったり、むくみやすくなったりすることがあります。
また、ボリュームがでると皮膚のたるみが落ちてくるため、まぶたのたるみを感じやすくなります。
一時的に視力が低下することがある
眼瞼下垂の手術を行うと乱視が悪化することがあり、一時的に視力が落ちることがあります。
時間と共に改善していきます。
眼瞼下垂は保険で治療できる?
日本人の70、80%の人が眼瞼下垂とも言われています。
眼瞼下垂にも程度があって皆が病気とは言えず、全員を保険診療で治療するとしたら大変なことになってしまいます。
重症のものでは生活に支障が出てくることがありますので病気として保険で眼瞼下垂の手術をすることができます(軽度のものは保険で手術はできません。)
ただし、保険の眼瞼下垂の手術はあくまで機能を回復するのが目的ですので見た目をきれいにする目的ではありません。
見た目もきれいにするためには、きちんと内部処理をおこなって二重を作成し、たるみや脂肪のボリュームを調整したりと、美容外科の要素が必要になってきます。
また、軽度で生活に支障がなく保険が適応にならない方でも、目の開きが悪いと眠そうで老けた目元の印象になりやすく、肩こりや頭痛などの症状も出てつらくなります。
ですので、軽度の眼瞼下垂の方や、二重も整えて見た目を若しく美しくするのが目的の方などでは、美容外科で眼瞼下垂を受ける方は多くいらっしゃいます。
美容外科では自由に術式も選択することができるので、ダウンタイムが取れない方や切開したくない方では切らずに糸で行う眼瞼下垂をおこなうことも可能です。
保険診療と自費診療の違いについては動画でも解説しています。
以上が眼瞼下垂の原因や症状、改善方法になります。
ただ、ご自身で自分がどういう状態なのか、どのような治療法が良いのかわからない方も多いと思います。
そのような場合はどんどん無料カウンセリングをご利用していただければと思います。
(切らない眼瞼下垂)
内容:切らずに糸でまぶたの裏側を縫い合わせることで目の開きを改善します。
料金:148,000~238,000円
リスク:一時的な腫れや内出血。まぶたがむくみやすくなる、後戻りのリスク
(全切開+挙筋前転術)
内容:二重のライン上を切開して挙筋腱膜を下げて瞼板に固定し目の開きを改善します。
料金:348,600~498,000円
リスク:一時的な腫れや内出血。まぶたがむくみやすくなる、ドライアイが強くなるリスク
(眉下切開)
内容:眉毛の下の皮膚を切除することで目の上のたるみを除去します。
料金:194,600~328,000円
リスク:一時的な腫れや内出血。目立ちにくいが眉下に傷が残る。