20年以上の実績を持つ美容外科専門医。丁寧で繊細な施術でお客様の望む実現を目指す。 「お客様のもつ本来の美しさを引き出す」ことをモットーに「もとび」美容外科クリニックを設立。
エラボトックス小顔注射を打たない方がいい人の特徴を解説
作成日:2025.11.2

エラボトックスは手軽に小顔効果を出せる人気治療ですが、やらない方が良いという方もいらっしゃいます。
今回はエラボトックスをやらない方が良い方について解説したいと思います。
エラボトックスをお考えの方は自分があてはまらないかどうか、コラムを見て参考にしていただければと思います。
目次
エラボトックスとは?
本題に入る前に、一応、エラボトックスについて簡単に復習させていただきます。
エラボトックスというのは、エラの筋肉、咬筋という筋肉にボトックスを注射して痩せさせる施術のことです。
咬筋というのは、図で言うとこの赤い部分ですね。

この咬筋をボトックスで動かなくさせることで筋肉を薄くすることができます。
正面から見るとエラの部分削げることで小顔になることができます。
エラボトックス症例写真
症例写真を見てもらうとこんな感じですね。
(処置前)→(処置後)


こんな感じでエラの筋肉を薄くして、特に咬筋が厚い人では咬筋を減らすことでぐっと小顔になることできます。
また、エラボトックスは小顔効果だけでなく、食いしばりや顎関節症の症状を減らす目的でおこなうこともあります。
歯医者さんなどで食いしばりが強いと言われてエラボトックスをおこなう方も多くいらっしゃいますよ。
エラボトックスの小顔効果はゆっくり出てきて1か月~1か月半で小顔効果がピークになります。
ゆっくり効果が出るので、処置前に写真を撮って1か月後くらいに比較すると良いです。
そんなエラボトックスですが、、、
本題のエラボトックスをやらない方が良い方についてお話しします。
エラボトックスをやらない方が良い方
エラボトックスをやらない方が良い方というのは、
①エラの筋肉がかなり薄い人
②脂肪がメインのタイプの人
③ホホがこけている人
④たるみが強い人
⑤3ヶ月以内にボトックスを打った人
⑥抗体ができてしまっている方
⑦妊娠・授乳中の方 以上の7つかなと思います。
それぞれについてお話ししていきます。
①エラの筋肉がうすい人
まず一つ目のエラの筋肉がかなり薄い人についてです。
これはわかるかと思いますが、筋肉が薄ければエラボトックスをしても減らせる筋肉が少ないので効果が弱くなります。
エラボトックスをやったことがない方では、たいていの方は咬筋にある程度厚みがあるので、多少以上の効果を出すことはできます。
ただ、たまにもともとの咬筋がかなり薄い方や、すでにエラボトックスを何度もやっていて薄くなっている方がいらっしゃいますが、そのような場合はエラボトックスの小顔効果はあまり出ないことがあります。
ただし、繰り返しエラボトックスをおこなっている方の場合、効果を持続させるためにある程度薄めのうちにエラボトックスを注射するのはありです。
実際、長持ちさせるためにそういう方は多くいらっしゃいます。
その場合は、小顔効果を出すというよりは、小顔効果を維持するためにおこなうということですね。 ただ、もともとエラの筋肉がうすい方では、筋肉を減らしようがないので、そもそもボトックスは、あまりお勧めしません。
②脂肪がメインのタイプの人
次は、2つ目の脂肪がメインのタイプの方ですね。
エラの筋肉というより、お顔の脂肪が多くて下膨れが目立ってしまっている方の場合も、あまりお勧めしません。
お顔の脂肪が多い方というのは、皮下脂肪はホホとかアゴ下とか、法令線上(メーラー)とかに厚みが出て、バッカルファットは口横のホホメインにボリュームが出ます 。
そうすると下膨れや丸顔になりますが、そのような方で、エラボトックスをおこなってもメインは脂肪のボリュームなのであまり効果がない可能性があります。
エラボトックスで減らせるのはお顔の後ろ側だと思っていただくと良いです。
脂肪のボリュームはお顔の中心側・前側なので、エラボトックスをおこなっても効果が見えにくいばかりか、中心側の脂肪のボリュームが強調されてしまって、下膨れ感が強調されてしまうリスクもあります。
なので、脂肪がメインのタイプの方もエラボトックスはあまりお勧めしません。
脂肪を減らす脂肪溶解注射や脂肪吸引、バッカルファット除去などの施術をまずおすすめします。
ただ、今まで話したのは、エラの筋肉が少なめで脂肪が多い方についてですが、 エラの筋肉も脂肪も厚く、両方ついているタイプの方もいらっしゃいます。
そのような方では、エラボトックスをおこなうと良いです。
さらに、先ほど言った脂肪を減らす脂肪吸引などの治療も併用してあげることで劇的に小顔効果を出すことができます。
ボトックスと手術の両方した方の症例写真
(手術前)→(手術5か月後)


エラボトックスと脂肪吸引・バッカルファット除去のセット治療、つまり咬筋も脂肪も同時に減らした方ですが、症例写真を見ていただくとこのような感じです。
ホホの脂肪のふっくらと、咬筋部分の厚みが同時に減ったことでフェイスラインがかなりすっきりしましたね。
脂肪もエラの筋肉もある方ではこのような感じで組み合わせ治療をおこなうと、しっかり小顔効果を出すことができます。
ただ脂肪タイプの方で、脂肪を減らす予定がない方は、エラボトックスは慎重に考えた方が良いです。
③ホホがこけている人
さて、次はエラボトックスをお勧めしないパターン3つ目です。
ホホがこけている方についてお話しします。
先ほど咬筋の図を出しましたが、咬筋はエラ部分だけでなく、ホホのコケ部分にまでまたがってある筋肉です。
コケの部分というのは、頬骨弓というホホのでっぱっている骨の下の部分ですね。
ボトックスはもちろんエラ部分だけに注射しますが、咬筋全体がやせて薄くなるので、咬筋上部のホホのコケの部分が強調されることがあります。
特に、もともとホホがコケている方では注意が必要です。
お顔が痩せればホホはある程度こけますので不自然なことではないのですが、少しでもホホがコケるのは嫌だと言う方は、エラボトックスはやらない方が良いかもしれません。
基本的にリスクを抑えるために咬筋の上部にはボトックスを注射しないのですが、先生によっては、エラボトックスで上部までルーチンで注射をする先生もいたりして、その場合はホホがコケるリスクが高くなってしまいますので、注意が必要です。
ただ、食いしばりを抑えるためには上部まで注入したほうが抑えやすくなるので、当院でもあえて上部まで打つことはあります。
エラボトックスでホホがこけて嫌だと言う方は多くはないですが、たまにいらっしゃいますので注意していただければと思います。
ただエラボトックスはある程度戻っていくので、気に入らなければ待てば落ち着きます。
④たるみが強い人
次は4番目のたるみが強い人のパターンです。
エラボトックスで筋肉のボリュームが減ると、そのぶんたるみを感じやすくなる可能性があります。
風船でイメージしてもらうと、ボリュームが減ればゆるみが出るのが分かりやすいですよね。
弛みのある方でたるみを感じやすくなるリスクがあります。
また、たるみというのは、jowlファットなど、お顔の中心よりに目立つものなので、外側のエラがスッキリするとホホのたるみが相対的に目立ちやすくなるというのもあります。
なので、エラボトックスをすると、もともとたるみがある人では、たるみを感じやすくなってしまうリスクというのがあるんですね。
ただ、エラボトックスは、骨切りのように土台を減らす治療と違って、柔らかい筋肉のボリュームを減らす治療なので、たるみが悪化したように感じる人はまれです。
なので、あまり恐れすぎることはないとは思いますが、たるみが強い人、特にjowlのたるみが目立つ人の場合はたるみが強調される可能性があると知っておく必要があるかと思います。
⑤3ヶ月以内にボトックスを打った人
エラボトックスをしない方が良い人5番目は、3ヶ月以内にボトックスを打った人です。
ボトックスというのはエラに限らず、短い間隔で繰り返すと抗体ができるリスクが出てきます。
抗体ができてしまうとボトックスが効かなくなってしまう可能性があります。
なので抗体ができないように3ヶ月以上はボトックスの注射の間隔をあけてもらう必要があります。
もし、抗体ができてボトックスが効かなくなると、将来的にどのボトックスを打っても効果が出なくなってしまいます。
ボトックスはエラだけでなく、アンチエイジングにもとても有用な治療なので将来困ってしまいますよね。
なので、ボトックスは3ヶ月の間隔をあけるようにしてください。
例外的に調整で短い間隔で打つことはありますが、なるべく控えるようにしています。
ちなみに、できるだけ抗体ができるリスクを減らしたいという方には、ゼオミン、今はボカチャとも呼ばれていますけれど、ドイツ製のボツリヌス製剤がお勧めです。
不純物がアラガン社などのボトックスの1/8くらいなので、免疫がつきにくい、つまり抗体ができにくくなります。
⑥抗体ができてしまっている方
では6番目ですが、これは先ほど話した抗体ができてしまった方についてのことです。
抗体ができてもボトックスが効くことはあるようですが、基本的には効きづらくなります。
抗体がある方にボトックスを注射しても、効果がないですし、抗体が強化されてしまうリスクもあるのであまりお勧めできません。
ただ、抗体ができていても、多少は効果があるという方は、ボトックスの量を増やして注射する方もいらっしゃって、それはありかとは思います。
ほとんど効果がないのにボトックスを注射するのはあまり意味がないかと思います。
抗体ができてボトックスが効かなくなってしまった方は、残念ですが、ボトックスは控えた方が良いかと思います。
⑦妊娠・授乳中の方
最後に7つ目は妊娠・授乳中の方です。
これはなんとなく想像してもらえるかとは思います。
ボトックスは動物実験で催奇形性、つまり奇形を誘発するリスクが確認されていますので、妊娠は男女とも3ヶ月はあけていただくようにしてもらっています。
あとは、授乳について言うと、ボトックスの母乳への移行に関しては明確に解明されているわけではないようですが、筋肉の動きを抑える注射なので仮に移行してしまった場合リスクがあるので授乳中のボトックスはおすすめできません。
ちなみに、乳児は蜂蜜を食べちゃダメというのは有名ですが、あれはボツリヌス中毒のリスクがるためなので、ボトックスが仮に母乳に移行してしまった場合は危険なのが容易に想像できますよね。
なので、エラボトックスは妊娠・授乳中の方ではお控えください。
まとめ
以上が、エラボトックスを受けない方が良い人について、7つのパターンでした。
一応復習すると、
①エラの筋肉がかなり薄い人
②脂肪がメインのタイプの人
③ホホがこけている人
④たるみが強い人
⑤3ヶ月以内にボトックスを打った人
⑥抗体ができてしまっている方
⑦妊娠・授乳中の方 の7つでしたね。
ただ、エラボトックスは放っておけばある程度戻りしていく治療です。
妊娠や授乳に関しては注意が必要ですが、それ以外のリスクについては、不具合が出てしまった場合は、時間が経てば回復していくため、大きな問題にはなりにくいかと思います。
なので、エラボトックスはあまり恐れすぎずやってみることはできる治療だとは思います。
大半の方では、7つのパターンに当てはまらずにエラボトックスの適応がある方なので、あまり神経質になりすぎることもないかと思いますが、 今回のお話をご参考していただいて、エラボトックスをして後悔がないようにしていただければ嬉しいです。
エラボトックスをお考えの方にこのコラムが役に立てば嬉しいです。