20年以上の実績を持つ美容外科専門医。丁寧で繊細な施術でお客様の望む実現を目指す。 「お客様のもつ本来の美しさを引き出す」ことをモットーに「もとび」美容外科クリニックを設立。
切開するたれ目形成術のリスクや失敗について解説
作成日:2025.6.8
具体的に切るたれ目のリスク・失敗について詳しく解説していますので最後まで是非ご覧ください。
目次
切開するたれ目形成とは
切るたれ目形成は、下眼瞼下制とも呼ばれ、皮膚側を切開する方法と粘膜側を切開する方法があります。
どちらの場合も、下まぶたの土台である瞼板という板をCPF(眼瞼腱膜)という組織に引き下げて固定し、目の下のラインを下げてたれ目にします。
眼瞼下垂の手術は目の開きを良くする手術 ですが、ちょうどその上下反対のことをおこないます。
下眼瞼下制(結膜)の手術方法や、下眼瞼下制(結膜)に加え皮膚切除も行う手術方法、下眼瞼下制(結膜)+目の下脂肪取りの詳しい方法は以下の施術ページに記載していますので参考にしてください。
切開するたれ目形成のリスク・失敗
それでは本題の切るたれ目形成のリスク・失敗について解説していきます。
①戻しにくい
切るたれ目は、切らないたれ目に比べて戻りにくく安定しやすいですが、その分戻しにくいというリスクがあります。
下げすぎると戻しにくいため、下げすぎないように気をつける必要があります。
②逆さまつ毛
結膜側からアプローチする方法では、結膜側(目の裏側)を引き下げるため、相対的に皮膚が引き上がり、下まつ毛が上向きになりやすくなります。
元々下まつ毛が上向きの方もいらっしゃいますが、そういった方は、結膜側からのアプローチだとまつ毛が更に上を向いてしまい、逆さまつ毛が悪化し、眼球にチクチク当たるリスクがあります。
ですので、元々まつ毛が上向きの方では、皮膚側を切開して皮膚切除をおこなったり、逆さまつ毛の手術を同時にすることで逆さまつ毛を予防します。
③下三白眼
通常たれ目にする場合は、黒目の外側と1番外の目尻の間くらいの位置を最も下げますが、黒目側(つまり真ん中側)を下げると下三白眼になってしまいます。
三白眼はあまり良い印象を与えないので、三白眼にならないように下げ具合を調整する必要があります。
元々、下三白眼気味の人では外側を下げるとさらに下三白眼が悪化するリスクがあります。
④兎眼
目を閉じているのに目が開いて白目が見えてしまうのを兎眼と言います。
たれ目にするために目の下のラインを下げすぎると、目が閉まりにくくなり兎眼になりやすくなってしまいます。
基本的に時間と共に落ち着いていきますが、下げすぎた場合残るリスクもあります。
⑤傷のリスク(皮膚切開する場合)
皮膚側を切開する場合、下まつ毛の下の見えるところに傷ができます。
目の下の皮膚は薄いので、通常傷は細くかなり目立ちにくく治ります。
ただし、あとで涙袋にヒアルロン酸を注入したりすると傷の部分が硬く上がりにくくなり、自然な涙袋が作りにくくなる可能性があります。
⑥外反(アッカンベー)(皮膚切開する場合)
皮膚側を切開する場合、しっかりたれ目にしようと皮膚側を切除しすぎると下まつ毛が引っ張られすぎて赤く粘膜が見え、アッカンベーになるリスクがあります。
皮膚を切除してしまっているので、直すのは簡単ではありません。
⑦結膜浮腫
白目の部分の粘膜がむくみ、膨らんでぶよぶよしてしまう状態になることがあり、目から飛び出したり粘膜が一時的に出ることがあります。
瞼の裏側の粘膜は白目の粘膜とつながっており、瞼の裏側を操作するのでダメージが白目に広がって結膜浮腫を起こすことがあります。
これは時間と共に治りますが、治るのに1か月以上かかることもあります。
まとめ
以上が切開するたれ目形成のリスク・失敗についてでした。
切るたれ目は切らないたれ目より戻りにくく効果も出やすいぶん、気に入らないと戻しにくかったり、逆さまつ毛など、上記のようなリスクがあったりするので、それをご理解の上で施術をおこなう必要があります。
ただし、リスクは適応を見極めて、切除の程度を調整すれば回避できますので、必要以上に恐れる必要はないかと思います。
多少のリスクを了承してしっかりやりたい方は、切るたれ目(下眼瞼下制)を、切るのが怖い、リスクをあまり背負いたくないという方は切らないたれ目術をおすすめします。