20年以上の実績を持つ美容外科専門医。丁寧で繊細な施術でお客様の望む実現を目指す。 「お客様のもつ本来の美しさを引き出す」ことをモットーに「もとび」美容外科クリニックを設立。
【目の下のクマ取り】目の下の脂肪取り(脱脂)で涙袋ができるのかを解説
作成日:2025.6.7
カウンセリングに来られる患者様で、他院で目の下の脂肪をとると涙袋がはっきりするようになると言われたという方が最近多くいらっしゃいます。
今回のコラムではそれについて解説しようと思います。
涙袋について
涙袋とはご存じのように下まつ毛の下のふくらみのことですね。
お若い人では特にボリュームがあって、年齢と共に減っていきます。
なので、涙袋がはっきりしていると若々しく見えます。
あと、涙袋は筋肉のボリュームなので、笑顔の際に筋肉が縮んで厚みが出てはっきりとします。
なので、涙袋がはっきりしていると明るい表情に見えます。
涙袋があると今言ったように若々しく明るく見えますし、目元にメリハリが出て華やかにもなるので、涙袋をヒアルロン酸などで大きくしたりする施術も人気です。
涙袋ヒアルロン酸症例写真
(施術前)→(施術後)
涙袋ヒアルロン酸の症例写真を見ていただくとこんな感じです。
もともと多少涙袋の土台がある方でしたが、ヒアルロン酸を入れることで涙袋がより大きくなってはっきりしましたね。
目元が笑った時のように明るく見えます。 目にメリハリが出て華やかにもなりました。
このように涙袋がはっきりすることは好まれることが多いです。
目の下脂肪とり(クマ取り)とは
今回のテーマは、目の下の脂肪とりをしたらはっきりするのかについて話すので、目の下の脂肪とりについてもお話しします。
目の下の脂肪とりはこんな感じで瞼の裏の粘膜から目の下の眼窩脂肪を切除する手術です。
そうすることで目の下のふくらみ、クマを減らすことができます。
この図で言うと眼窩脂肪のふくらみは目袋という部分ですね。
クマの膨らんでいる部分で、涙袋の下にある部分です。
分かりやすいように別の図で見てもらうと、眼窩脂肪のふくらみ、つまりクマのふくらみはこの赤い部分ですね。
目の下の脂肪とりでは、ここのボリュームを減らします。ちなみに、緑の部分は涙袋です。
基本的に、涙袋と眼窩脂肪の膨らみは別部位になります。
目の下の脂肪を取ったら涙袋はでるの?
結論を言ってしまうと、基本的にはそれぞれのパーツは分かれていて、目の下の脂肪をとっても多くの場合では、涙袋は変わらないことが多いです。
ただ、人によっては、眼窩脂肪のふくらみ、赤い部分ですね、
これが涙袋に近くてつながっている方がまれにいらっしゃいます。
図で言うとこんな感じですね。
こういう人の場合は、眼窩脂肪のふくらみをとることで、 涙袋の縁の影が出やすくなって涙袋がはっきりしやすくなる可能性はあります。
なので、今回のテーマの、目の下の脂肪とりをすると涙袋が出てくるかについては、その可能性はあると言えます。
ただし、涙袋と目袋がつながっている方に関してのみですので、まれなことです。
通常は目の下の脂肪とりをしても涙袋はそれほど変わりません。
10人の目の下の脂肪とりをおこなった症例写真をぱぱぱっと見てもらいますが、見ていただければわかってもらえるんではないかと思います。
涙袋がはっきりすると言われる方が最近しばしばありますが、診察しても眼窩脂肪のふくらみと涙袋がくっついているタイプではない方がほとんどです。
まれなメリットを強調して目の下の脂肪とりをすすめるのは、多分、目の下の脂肪とりの手術をしてほしいから、メリットを強調して話しているのかなあと思います。
ただ、先ほど言ったように絶対に涙袋がはっきりすることはないと言っているわけではありません。
たまに、はっきり出る人はいらっしゃいます。
なので、そのようなタイプの人には涙袋がはっきりすることがあるかもしれないことはお話ししても良いかもしれませんが、そうでない方には、大多数の方ですが、目の下の脂肪とりのメリットとして言ってお客様に期待させておこなうのはあまり良くないかなと思っています。
なので、このコラムでお話しせてもらいました。
それでは具体的に目の下の脂肪とりをおこなった9人の症例写真を見てもらおうと思います。
症例写真
ちなみに、今回の症例の方は、全員、目の下の脂肪取りだけでなく目の下の凹みに脂肪注入をおこなっています。
クマの原因は凹凸の段差によるものです。
先ほどの図のように、目の下のクマの原因は、眼窩脂肪の膨らみだけでなく、さらにその下のteartroughという凹みとの段差によって作られるので、脂肪注入でのその凹みも埋めてフラットにしてしっかりクマを改善させています。
涙袋付近の変化については目の下の脂肪注入も行っていても同じ変化になります。
それでは、目の下の脂肪取り+脂肪注入をおこなった10人の方の症例写真をご覧ください。
目の下脂肪とり+コンデンス脂肪注入の症例写真①
まずは、一人目の方です。
目の下のクマがなくなってすっきりしましたね。
涙袋に注目すると特に術前後ではっきりしたり、厚くなった感じはありません。変わらずと言った感じです。
ただ、クマがスッキリしたことで涙袋が認識しやすくなったのはあるかもしれませんね。
目の下脂肪とり+コンデンス脂肪注入の症例写真②
2人目の方を見てもらうと、この方も手術で目の下のクマがスッキリしました。
目の下の脂肪がやや涙袋に近かったせいか、若干涙袋がはっきりしたようにも見えますが、それほど大きく変わっているようには見えません。
涙袋とクマと2つの山があったのが、クマの山がなくなって涙袋の山だけ残ったという感じですね。
目の下脂肪とり+コンデンス脂肪注入の症例写真③
3人目の方です。
この方も目の下のクマがなくなってすっきりしましたが、涙袋はそれほど出てきていはいません。
クマがなくなったぶん目の下全体はすっきり見えるようにはなりましたね。
目の下脂肪とり+コンデンス脂肪注入の症例写真④
4人目の方です。
この方も、目の下のクマがスッキリしました。
涙袋はもともと少しあって、そのまま術後も残っているという感じですね。
目の下がスッキリしたぶん、涙袋が分かりやすくなったのはあるかもしれませんが、涙袋がはっきり出てきたという感じではないです。
目の下脂肪とり+コンデンス脂肪注入の症例写真⑤
5人目の方です。
この方ももともと涙袋は少しある感じでした。
術後は目の下のクマはなくなりましたが、涙袋は変わらずと言ったところです。
目の下脂肪とり+コンデンス脂肪注入の症例写真⑥
6人目の方です。
この方も術前涙袋は少しありますがそれほど厚くない方ですね。
術後は目の下のクマはすっきりしましたね。
ただ、涙袋はそのまま、薄いままですね。 変わらずと言った感じです。
目の下脂肪とり+コンデンス脂肪注入の症例写真⑦
7人目の方です。
この方はもともと涙袋は薄めです。 手術で目の下のクマが改善しました。
涙袋について言うと薄いまま、そのままです。 とくに涙袋は変化なしです。
目の下脂肪とり+コンデンス脂肪注入の症例写真⑧
8人目の方です。
この方は、もともと涙袋も目の下のクマも境界がはっきりしていて分かりやすいですね。
目の下の脂肪取り・脂肪注入で単純に目の下のクマのふくらみがなくなりました。
涙袋ははっきり元のままで、とくに変わりはありません。
目の下脂肪とり+コンデンス脂肪注入の症例写真⑨
それでは、最後9人目の方です。
この方はもともと涙袋はほとんど見られないタイプの目でした。
手術では目の下のクマがすっきりしてなくなりましたね。
ただ、目の下のふくらみが減っても、涙袋は浮き出てきていません。
涙袋をはっきりさせたいなら
以上が目の下脂肪とりをした際の涙袋の変化の例です。
基本的に目の下の脂肪とりをして涙袋が出てきたり、厚みを増す可能性はあまりないことが分かってもらえたかと思います。
ただ、どうしても涙袋をはっきりさせたいんだという場合は、涙袋のヒアルロン酸をおこなうことをおすすめします。
冒頭で見てもらった涙袋のヒアルロン酸の症例写真のように涙袋を手軽にはっきりさせることができます。
また、症例を見ていただくとこんな感じですね。
涙袋ヒアルロン酸症例写真
涙袋ヒアルロン酸は、ダウンタイムもあまりなく、すぐに自然な感じで涙袋を作ることができるので 人気の施術になっています。
まとめ
まとめますと、結論は目の下の脂肪とりをしても多くの人では涙袋はっきりでるわけではないってことですね。
ただ、一部の人で、目の下の脂肪とりで涙袋がはっきり出てくる可能性はあります。
涙袋と目の下の脂肪のふくらみが接していて連続しているタイプの人は少し涙袋効果を期待できるかもしれません。
クリニックによっては、クマの相談に来るお客様皆さんに、涙袋が出るから良いよと目の下のクマ取りをすすめるクリニックもありますが、そのようなクリニックは注意したほうが良いかもしれません。