20年以上の実績を持つ美容外科専門医。丁寧で繊細な施術でお客様の望む実現を目指す。 「お客様のもつ本来の美しさを引き出す」ことをモットーに「もとび」美容外科クリニックを設立。
糸リフトは意味あるの? SNSで金ドブと言われていることについて思うことと、それでもおすすめできる理由
作成日:2025.12.7
糸リフトとは
今回は糸リフトについてお話ししようと思います。
SNSで糸リフトは金ドブだと言われていたりします。
糸リフトとはトゲ付きの糸を針で顔に入れて、たるみを引き上げる治療ですね。
ただ、糸のリフトというのは、基本的にトゲでたるみをひっかけてあげるものなんですが、ひっかけてるだけなので、徐々に組織が伸びて馴染んで戻ってしまうんですね。
長期間体に残るとリスクがあるので、基本的に半年~1、2年で吸収されるのですが、溶けるので余計に戻ってしまいます。
なので、戻るから金ドブという風に思う人がいるのも分かります。
ただ、糸は、溶けながらコラーゲンに置き換わっていきます。
そうすると、お顔を支える組織が硬くなってたるみづらくなる、たるみ予防効果があるんですね。
さらに、コラーゲンが増えるとお肌にハリが出てくれたりします。
たるみ予防効果というのは多かれ少なかれ必ず効果としては出るものなのですが、これは目に見えません。
4、5年経って糸を入れた状態と、入れていない状態を比較することはできないのでしょうがないですね。
なので、このたるみ予防効果は目に見えないので余計に金ドブという風に思われたりするのだと思います。
あとは、ぼったくり系のクリニックで安い料金を見て行ったらあなたの顔ではこれでは上がりませんと言われて高額の糸を売りつけられて、やってみたら結局すぐに戻ってしまうという方も多く、それも糸リフトの金ドブ説に拍車をかけているかと思います。
これは大手のチェーン店で多いんですよね。
以上が金ドブと言われる原因だと思うのですが、ただ、この原因が分かっておこなえばそれほど金ドブの治療ではないと思うんですね。
糸リフトはリフトアップ効果はもちろん小顔効果を出すこともできるんですが、どんな糸でも半年から1年でリフト効果は戻ってしまいます。
ただ、ある程度繰り返しながらメンテナンスすればリフトアップ効果を維持することができます。
今の糸リフトはかなり安くなっていますし、しっかり糸を入れて1年ごとに10万円、20万円でリフトアップ効果を維持すれば、月に1~2万円で、若返り効果だけでなく、長期的なたるみ予防効果も出てくれます。
ぼったくりで1回100万近く払うようなことがなければそこまで手が出ない値段かと思います。
繰り返すことに、コラーゲンが増えてお顔がたるみにくくなり、糸をやっていないのに比べると10年、20年後はかなり老け方に差が出くると思います。
また、糸を入れるたびに中からコラーゲンが増えてお肌にハリも出てくれますよね。
なので、うまく付き合っていけば決して金ドブの治療ではないかと思います。
でなければこんなに世界中でたくさんおこなわれているわけはありませんよね。
ただ、糸リフトに限らずリフトアップの施術は人によって上がりやすい・上がりにくいがあります。
皮膚が厚くシワが深くなりやすい凹凸タイプの方では、元々たるみにくいのもありますが、逆にリフトアップしても上がりにくいというのもあります。
なので、皮膚が厚く重いタイプの人は効果が実感しにくいというのは知っておいた方が良いでしょう。
逆に、たるみにくいので糸を入れてよりたるみにくくしてあげるのが良いと思います。
逆に皮膚が薄い人などではリフトアップ効果を実感しやすいというのがあります。
自分がどのタイプか知って効果の出しやすさを知るのも大切かと思います。
そうすれば金ドブと後悔することも減るかと思います。
糸の種類
また、糸のタイプによって金ドブだとか言う先生もいたりするのでそちらもお話しします。
糸リフトは普通の吸収糸をメッシュ状に入れて支えるショッピングスレッドと呼ばれるようなタイプ、
トゲ両サイドで反対についていて、糸1本でたるみを支えるフローティングタイプ、

側頭部などに固定するアンカータイプ、フィックスドタイプとも言われますが、図のような糸になります。
大きく分けてこの3種類があります。
あとは、糸自体の素材で溶ける糸・溶けない糸というのがありますが、こちらはリスクの問題でほとんど現在は溶ける糸がメインになっています。
これだけ種類があると、自分の推しの手術以外は否定するような、いわゆるポジショントークをする先生が出てきます。
例えば固定する糸、アンカーとかフィックスドとかいうタイプの糸ですね、それでないと意味がないとか断定する炎上狙いのドクターもいたりします。
そういうのは無視してい良いです。
表には出てきませんが、こういう極端な事を言うクリニックの極端な手術のクレームが近年とても増えてきているのが美容外科医では問題視されているんですね。
それぞれの糸にはそれぞれの良さがあって、お客様によって使い分けたり、組み合わせたりすると良いです。
例えば、ショッピングスレッドのようなタイプの糸をビンタみたいな効果と言っているドクターもいますがそんなわけはないです。
高周波やレーザーで皮膚に張りを出す治療はそれに近いかもしれませんが、糸の場合は必ず糸が残って少しずつ吸収されて、その吸収される過程でコラーゲンが増えて引き締まり針が出ます。
ダウンタイムが短く韓国のセレブでは一世を風靡してかなり流行った治療です。
ビンタだけの効果ならこうはなりませんよね。
これは、ダウンタイムを好まない方や、トゲの糸では凹みやすい口横のホホのたるみなどをポイントで引き締めたい方におすすめです。
あとは、アンカータイプに関しては、片方を固定するので、直後の引き上がり効果はかなり感じやすいですが、これも固定しない糸と同じように必ず戻っていきます。
引き上げ効果が強いぶん、戻るまでの違和感や痛みが強く、口が開けづらかったり、カマキリみたいに不自然に上がったりと、ダウンタイムが長くなります。
ダウンタイムが長く、そのわりにずっと持つわけではないので、ダウンタイムが長く取れる人が適応で、違和感はあっても良いからしっかり上がった感を出したい方にはおすすめの施術になります。
固定するぶん保ちやすいと思うかもしれませんが、お顔は表情で良く動く部分なので、片方を固定するほど伸びて戻りやすくなります。
逆にフローティングタイプのように動きに合わせて同時に動くようなものが、効果を維持しやすい場合もあるので、アンカーもフローティングも効果の持続はそれほど大きく変わらないと思ってもらうと良いです。
当院では、以前はアンカーの糸も使っていましたが、ダウンタイムや効果の観点で、今ではバランスの良いフローティングタイプをメインでおこなっています。 世間的にもそういう流れになってきています。
当院のメニューで言うと、 VOVコグリフト、 TEX3Dリフト、ミントリフトミニフレックスという3種類の糸があります。
簡単に説明すると、 VOVコグリフトは糸が細くトゲも小さいので、効果は控えめでも良いが、廉価版でお安く済ませたいという方に適しています。
TEX3Dリフト、ミントリフトミニフレックスはVOVコグリフトに比べてかなり糸が太くなっており、イメージで言うと、VOVコグリフトが裁縫の糸だとしたら、TEX3Dやフレックスではタコ糸のような太さになります。
効果をきちんと出したい方ではTEX3Dリフトやミントリフトミニフレックスがおすすめですが、中でも、ミントリフトミニフレックスは、糸に柔軟性がありなじみやすいため、違和感や凹凸のリスクも少なく、長持ちしやすい糸になります。
今ご紹介した糸をご希望によって選んでいただいております。
それでは、糸リフトの症例写真で効果を具体的にイメージしていただければと思います。
症例写真
症例写真①
一人目の症例写真です。
フェイスラインを糸リフトで引き上げました。
ちなみに糸リフトでは、フェイスライン方向の引き上げと、ほうれい線上の中顔面の引き上げとで分けて糸を挿入していきます。
今回の方はフェイスラインを糸でリフトアップしています。
フェイスラインにに注目すると、ホホのジョールファット部分、ブルドックになる部分のたるみが、引き上がってラインがスッキリしたのが分かりますね。
フェイスラインがシャープになりました。
この方はお若めの方ですが、糸を入れることで将来的のたるみ予防効果も出ていますので、長期的にたるみにくくなります。
症例写真②
手術前⇒1か月後


手術前⇒1か月後


手術前⇒1か月後
次は二人目の方ですが、フェイスラインを引き上げるように糸を左右5本ずつ、10本入れています。
同時にフェイスライン部分の皮下脂肪には脂肪溶解注射を打って厚みを減らしています。
1か月後は正面から見ると、四角ぎみだったフェイスラインがシャープになって逆三角に近づきましたね。
斜めから見ると、フェイスラインの脂肪の厚みが減って、さらに、糸リフトでたるみが引き上がったことでフェイスラインがシャープになりましたね。
術前は少しもたついていたフェイスラインがスッキリとした印象になりました。
たるみに関しては、このように、糸リフトと脂肪溶解注射や脂肪吸引を組み合わせることで効果がより高まります。
症例写真③

最後に三人目の方です。
この方は糸リフトの処置直後の画像です。
処置前はやや下膨れだったホホが直後からしっかりリフトアップされてフェイスラインがシャープになりましたね。
直後ですが腫れなどの不自然さはあまりなく、しっかりした効果が出ています。
フェイスラインが引き上がったことで、下膨れぎみの四角いお顔から、逆三角形のお顔になりました。
糸リフトの場合、むくみでお顔の上部にやや厚みが出るために直後は特に逆三角形に見えやすくなります。
以上が糸リフトの3症例でした。
まとめ
糸リフトでフェイスラインのたるみが引き上がってフェイスラインがスッキリするのが分かるかと思います。
また、小顔効果も出て、本数を調整すれば直後からそれほど腫れが目立ちくいこともあるのでお若い方も好んでおこなう治療になっています。
さて、今回の糸リフトは金ドブかの結論ですが、結論は糸は期待する効果によっては金ドブと思われても仕方がないこともありますが、糸リフトの効果の性質を理解して、長期的なたるみ予防やお肌にハリを出す効果などトータルで考えれば、お金をかけた価値の効果はあると言えると思います。
効果が出なければ世界的にこれだけ多くおこなわれていないですよね。
実際当院でもリピートする方は多い手術です。
決して金ドブの手術ではありませんが、その方のお顔のタイプや、効果のイメージで効果を感じやすい・感じにくいの個人差はあります。
それを理解して、自分に合う糸の種類をしっかり選択して、納得してをおこなえばとても良い手術だと思います。
特にたるみはじめの30代以降の方にはたるみを予防する意味でもおすすめの手術です。
また、先ほど話したように、20代の方でも、小顔効果を狙ったり、脂肪吸引や脂肪溶解注射と合わせて行うのもありです。
HIFUだと効果を実感できなかった、かといってフェイスリフトは怖いという方には、糸リフトは効果とダウンタイムのバランスの良い手術になりますので、気になる方は今言った話を理解した上で糸リフトも選択して考えると良いかと思います。