20年以上の実績を持つ美容外科専門医。丁寧で繊細な施術でお客様の望む実現を目指す。 「お客様のもつ本来の美しさを引き出す」ことをモットーに「もとび」美容外科クリニックを設立。
顔のベイザー脂肪吸引と普通の顔の脂肪吸引の違いについて
作成日:2025.11.13
目次
脂肪吸引とは
脂肪吸引は、直径2~4㎜ほどの吸引管を皮下に挿入し皮下脂肪を吸引していく手術です。
直接脂肪を吸引していくため確実にボリュームを減らすことができます。
脂肪細胞は基本的に再生しませんので脂肪のボリュームが減れば効果は半永久です。
ただし、ムラのある吸引だと凸凹になったり、吸引しすぎると癒着や拘縮がおこって不自然な仕上がりになってしまいます。
脂肪吸引をきれいに仕上げるには技術が必要です。
ベイザー脂肪吸引とは
VASER脂肪吸引(vibration amplification of sound energy at resonance)
ベイザー脂肪吸引は吸引管のような細い棒の先から超音波を出して振動させ、脂肪細胞を遊離させることで血管や他の組織を傷つけずに脂肪吸引ができると説明されています。
要するに、ベイザー脂肪吸引をおこなうと、術後の出血が少なく、ダウンタイムが短いということです。
術後に引き締め効果があるとも言われています。
論文では
2012 A Multicenter, Prospective, Randomized,Single-Blind, Controlled Clinical Trial Comparing VASER-Assisted Lipoplasty and Suction-Assisted Lipoplasty
2013 Evidence-Based Medicine: Liposuction
2013 Levels of Evidence in Cosmetic Surgery Analysis and Recommendations Using a New CLEAR Classification

2013年に発表された論文によると、ベイザー脂肪吸引は通常の脂肪吸引に比べて6%引き締まりが強くなって、脂肪吸引の出血量が20%ほど減ったと書かれています。
ただし、この論文はVSERのメーカーがスポンサーになったということ、後に別の論文で方法の欠陥と計算間違いを指摘されており、信頼しにくいところはあります。
また、この論文では、逆に患者さんによる痛みや腫れの感じ方はベイザーの方が強く、トータルの満足度はベイザーより通常の脂肪吸引の方が高いという結果に終わっています。
院長も昔は通常の脂肪吸引だけでなくベイザー脂肪吸引を行っていました。 その時の感想を。。。
※あくまで個人的な感想です。ご理解ください。
ベイザーをおこなうと実際に脂肪が乳化して脂肪がトロっとなります。
トロっとしたきれいな脂肪がジュルジュル吸引されてくるので効果が出ているような感じがありました。
脂肪量が多い人ではベイザーをあてた方が術者は吸いやすくなる感じはありました。
なので脂肪量が多い方には良いのかもしれないなという印象でした。
ただ、仕上がりなど総合的に言うと個人的にはどちらも大きな差は感じられず、うたわれているほど通常の脂肪吸引と比べて大きなメリットを感じませんでした。
結局、ダウンタイムも仕上がりも術者の力量次第と思っています。
また、ベイザーは、超音波の摩擦熱により皮膚などにプローベがあたると火傷のリスクがあり注意が必要になります。
結局、脂肪吸引は術者の力量次第
脂肪吸引は脂肪のとりムラによる凹凸や、吸引しすぎると癒着や拘縮によっても凹凸がでて不自然な仕上がりになるリスクがあります。
ベイザーはがっつり脂肪が取れるとうたっている所もあるが、脂肪は根こそぎとればよいものではない。
皮下脂肪は体のきれいなラインを出すために必要なもの 取りすぎずに薄く残さないといけないです(特に浅い層)
吸引しすぎない範囲で丁寧に脂肪を吸引をしていく技術が重要だと思っています。
まとめ
ベイザー脂肪吸引は料金に見合う効果があるかは不明です。
納得しておこなっていただくのは問題ないですが、ベイザーにこだわるよりは、術者の技量にこだわったほうが良いのではないのでしょうか。
通常の脂肪吸引かベイザー脂肪吸引かに限らず一番大事なのは、術者の技術。
きちんとカニューレの軌跡や吸引方向、層などをイメージしながら丁寧に脂肪吸引を行っているドクターに施術をまかせるのが良いのではないでしょうか。
