鼻尖軟骨移植(耳介軟骨移植)

軟骨を移植して鼻先の高さや下方を整える
軟骨を移植して鼻先の高さを出したり、鼻先を下方に延長します。 耳から軟骨を採取し鼻先に移植することで鼻先の高さを出します。
目次
鼻尖軟骨移植(耳介軟骨移植)とは
鼻先を高くしたい場合はプロテーゼなどの異物で高さを出すと飛び出してしまうリスクがあるため、自分の組織を採取し鼻先に移植し高さを出す必要があります。
鼻尖軟骨移植では、耳の軟骨を鼻先に移植することで、鼻先の高さを出したり鼻先を下方に伸ばしたりします。
鼻尖軟骨移植の手術の流れ
手術では、まず耳の裏側を切開して耳介軟骨を採取します。
耳の軟骨のフレームを残してパラボラの部分だけを採取するので耳の見た目の形は変わりません。上の画像は軟骨を採取した直後の耳ですが、形が変わっていないのでわかりますね。
軟骨が準備できたら、鼻の穴の中を切開します(クローズ法)。
傷は鼻の穴の中だけですので外側に傷は残りません。
通常鼻尖縮小も併せて行いますので、鼻翼軟骨を形成し土台を整えておきます。
採取した耳介軟骨を、整えた鼻翼軟骨に載せて移植します。
軟骨を載せるだけでは鼻翼軟骨が沈み込んで高さを維持できないこともあるため(特に正面方向)、耳介軟骨の柱(ストラット)を立てて沈み込みにくくすることで高さを維持しやすくしたりします。
鼻先の軟骨移植のイメージは下図のようになります。
軟骨を移植する際は、軟骨の形が浮かないように軟骨の角を落とし、軟骨をクラッシャーでつぶして柔らかくしたり切れ込みを入れます。
軟骨は2~3枚重ねにして載せます。
軟骨を載せる方向を変えることで、その方に合わせて高さを出す方向を調整します。
手術の前に画像を撮影しておき、ご希望を考慮してちょうど良い方向に鼻先に高さ・長さを出すようにソフトでシュミレーションしておきます。
それを型紙におこして、術中に高さを調整してイメージ通りの仕上がりになるように軟骨を固定する位置を調整します。画像では、型紙との隙間部分(ピンセットで指している部分)が軟骨を移植する位置になります。
イメージ通りの形になるように移植軟骨を載せる位置が決まったら、鼻翼軟骨の土台に糸でしっかりずれないように固定します。
さらに、軟骨の位置がずれないように、鼻翼軟骨の土台と移植軟骨に糸を通して置き、皮膚側に針で出して固定します(プルアウト固定)
あとは傷を閉じて終了です。
鼻尖軟骨移植の場合、鼻中隔延長と違って鼻先の動きは保たれ、自然な感じで鼻先を高くしたり伸ばしたりすることが出来ます。
耳介軟骨移植の手術方法と効果については動画でも解説していますのでご参考ください
鼻尖軟骨移植のメリット・デメリット
メリット
①鼻先が固定されない
軟骨移植のみの場合は鼻先の可動性が保たれますので自然です。
一方、鼻中隔延長では鼻先が固定されますので、触った時や表情などの動きによって硬い感じの違和感がでます。
②クローズ法なので傷が外に出ない
鼻の穴の中のみを切開するクローズ法しますので、オープン法のように表側に傷はつきません。
③自然な感じで高さをだすことができる。
土台の軟骨に軟骨を載せて厚みを出す施術ですので自然な感じで高さを出すことが出来ます。
デメリット
①鼻中隔延長ほど高さは出ない
鼻中隔延長のように固定した土台を使って伸ばすわけではないので高さは鼻中隔延長ほどは出せません。
一般的に1~2㎜程高さが出る形なります。
ただし、お顔の1~2㎜の変化はある程度の効果が見える変化です。
自然な感じで変化させたい方には適しているかと思います。
②長期的に軟骨の形が浮き出るリスク
軟骨をたくさん重ねて無理に高さを出そうとすると長期的に皮膚が薄くなって軟骨の形が浮いてきてしまうリスクがあります。
当院では軟骨の重ねは通常2枚までとし、移植軟骨の角を落として切れ込みを入れたりつぶしたりしてなじみやすくしています。
また、軟骨膜でカバーするなどして皮膚に無理がかからないようにしています。
③耳の後ろなどに傷ができる
耳の軟骨を採取するので耳の後ろなどに傷ができます。
ただ、傷は目立ちにくく、普通の人が耳の後ろを見ても気づかないレベルの傷です。
また、耳の軟骨を採取するとイヤホンが安定しにくくなるリスクもあります。
耳介軟骨移植のリスクについては下の動画もご参考ください
鼻中隔延長とどちらが良いの?
鼻先に高さを出すには、鼻尖軟骨移植と鼻中隔延長の2つがあります。
鼻中隔延長では、左右の鼻の穴の間の板(鼻中隔軟骨)に軟骨を固定して延長し、延びた鼻中隔に鼻先の軟骨を固定することで鼻先を伸ばしていきます。
動かない土台に固定していきますので鼻先が伸びやすい反面、鼻先が動かなくなって硬い感じになってしまいます。
【鼻中隔延長のメリット】
・鼻先を最も伸ばしやすい
【鼻中隔延長のデメリット】
・鼻先が固定されるので術後に触ると硬い感じ。表情の動きで違和感を感じやすい。
・曲がった鼻中隔に固定するので、後戻りの際に鼻先が曲がるリスクがある
・鼻の通りが悪くなって息がしにくくなるリスクある
・オープン法なので表側に傷ができる(鼻柱部分ですのでそれほど目立ちません)
鼻尖軟骨移植では、上記のように、軟骨を鼻先に載せて厚みを出していくので、鼻中隔延長ほど鼻先は伸びませんが、自然な感じで鼻先に高さを出すことができ、手術後の鼻先の動きは保たれますので違和感は少ないです。
また、クローズ法で行うので皮膚側に傷はつきません。
結局、
ガッツリやるよりは、リスクを少なく希望される方
自然な感じの変化を希望される方、
鼻先の固定される違和感が怖い方、
傷を外に着けたくない方、
などの方にはは鼻尖軟骨移植がおすすめです。
一方、なるべく鼻先を高くもしくは伸ばしたいという方には鼻中隔延長がおすすめです。
ご希望に応じてどちらも施術を行っております。
当院には、鼻中隔延長までは怖いけれど自然な感じの変化を希望されて来院される方が多く、鼻尖軟骨移植を多くおこなっております。
鼻尖軟骨移植と鼻中隔延長の比較について動画でまとめたので、そちらもご参考になさってください。
鼻先の延長方向
軟骨を移植する方向を調整することで、鼻先に高さを出したり、アップノーズ気味の人では鼻先を下方向に伸ばして豚鼻を改善させることも可能です。
鼻先の正面方向に高さが足りない方では正面方向に、アップノーズの方では下方向(口側)に、お客様のお鼻の形やご希望に応じて軟骨移植で高さを出す程度・方向を調整いたします。
鼻尖軟骨移植は鼻中隔延長ほどの延長効果はありませんが、軟骨を移植するだけでも鼻先のラインを高く、美しく整えることは可能です。
少しのラインの変化でもお鼻全体の見た目のバランスが改善します。
バランスが改善すると目立つ鼻の穴や小鼻も目立ちにくくなります。
リスク:一時的な腫れや内出血。耳の裏に傷ができるリスクがあります。
鼻尖縮小と組み合わせることをおすすめします。
鼻尖軟骨移植は、鼻尖縮小術と併用すると鼻先が細くかつ高くなりすっきりしてより整いやすくなります。
また、鼻尖縮小術で鼻翼軟骨を寄せることで、軟骨移植の土台がしっかりするため効果的に高さやラインが出やすくなります。
軟骨移植だけ行うと単純に軟骨のボリュームが増えますので鼻先がボテッと大きい印象になってしまいます。
(他院で軟骨移植だけおこなって修正を希望される方はちょくちょくいらっしゃいます)
逆に、鼻尖縮小術を考えている団子鼻の方では鼻先が低かったり上向き(豚鼻)なことも多く、鼻尖縮小術だけではかえってアップノーズが強調されてしまうこともあります。
鼻尖部に軟骨を移植して鼻先の高さを斜め下方に出すことでより整った鼻先にすることが可能です。
下の動画もご参考ください
ストラットで補強しないと高さは出にくいです
鼻翼軟骨はよく動く部分です。
せっかく移植軟骨を乗せたとしても土台の鼻翼軟骨が沈み込んで鼻先の高さをうまく維持することができないケースもしばしばあります。
特に鼻先の高さが低い方では鼻翼軟骨の脚(内側脚)が小さく弱い方が多く、つぶれやすいです。
そのような方の場合、耳からの移植軟骨をさら余分に持ってきて鼻柱にストラット(columlellar strut)と言われる、軟骨の柱を立ててあげることで鼻翼軟骨を補強して沈みこみにくくし、高さを出しやすくする必要があります。
耳介軟骨採取後の固定、傷について
軟骨を採取した後、耳に血種ができないように軟骨付きのガーゼを糸で固定(ボルスター固定)し、綿球やテープなどで埋めてテープで圧迫固定しています。ちょうど画像のような感じになりますが、鼻の固定が取れる5日後に同時に耳の固定も除去します。
それまでは髪を下ろしたりしてカバーしていただければと思います。
耳の裏側の傷に関しては、軟骨を採取する際の耳の後ろの傷はしわに一致した傷ができます。
通常の耳の後ろのしわのようになって目立つことはありません。
通常、他人からは自分から言わないと気づかれません。
(耳の後ろの傷)


耳の後ろの傷に関しては動画をご参考ください
参考症例写真
(手術前)→(手術後)


鼻尖形成で団子鼻が改善し、鼻先に軟骨を移植したことで鼻先が下方に延長して、アップノーズが改善されました。
小鼻の形や鼻の穴の大きさはあまり変わりませんが、小鼻と鼻先の位置が整ったことで鼻の穴が目立ちにくくなり、鼻先の印象が良くなりましたね。 小鼻を小さくしたいとご希望の方でも鼻先の位置が高いのが原因で、鼻先に高さ出すとバランスが良くなり小鼻が気になりにくくなる方は多いです。
①鼻先に高さが出て鼻が高くなり形が整う。
(手術前)→(手術後)


鼻先の前方に高さが出て鼻の形が整いましたね。
②アップノーズ(豚鼻)が改善して鼻の印象が良くなる。鼻の穴も目立ちにくくなる。


上向きだった鼻先に軟骨を移植することで下方向に鼻先のラインが延長してアップノーズが改善しました。
術後の形の方がすっきりしてきれいに見えますね。
よくあるご質問
Q:軟骨を移植するのは抵抗がありますが、安全ですか?吸収されますか?
A:異物ではなくご自身の軟骨ですので安全です。 軟骨は移植しても吸収されることはあまりなく長く形を保つことができます。 気に入らなければ後で軟骨を除去する事も可能です。
Q:耳の軟骨を採取した部分は自然ですか?ばれますか?
A:耳のフレームは変わらないため見た目は全く変わりません。 触ると軟骨を除去した部分が柔らかく感じます。 傷は耳の後ろであまりすので目立ちません。 耳の後ろにシワが1本増えたような程度です。
Q:鼻中隔延長と鼻尖軟骨移植はどちらが良いのですか?
A:どちらが良いかはお鼻のタイプやご希望に応じて違います。 鼻中隔延長の方が軟骨移植にくらべて延長効果は高いですが、鼻先が固定されるリスク、鼻先の曲がりのリスク、鼻閉といって鼻の通りが悪くなるリスク、オープン法で行うため鼻柱(鼻の穴の間)を切開する必要があるなどのリスクを伴ってきます。 アップノーズが強い方や、鼻先の高さをしっかり出したい方、リスクを許容出来る方などでは鼻中隔延長がおすすめです。 ただ、そこまリスクはとりたくないという方や、ラインを整える感じで自然な変化で良いという方は軟骨移植が良いです。
Q:軟骨を移植しないとだめですか?
A:鼻先に高さがある方では軟骨移植は必ずしかも必要ではありません。 ただし、もともとだんご鼻の方では鼻先が低くかったりアップノーズである傾向がありますので多くの方では鼻尖縮小術と軟骨移植を併用して行うことが多いです。
動画もご参考ください
鼻尖の軟骨移植についてのメリット、デメリット、症例写真解説などを動画にまとめましたのでご参考ください。
豚鼻を治す方法は動画でも解説していますのでご参考になさってください
他院でオステオポールを入れられた方に
オステオポールといって吸収される素材でできた6㎜くらいのボールを鼻先に埋め込んで鼻先を高くする手術をおこなっているクリニックがあります。
オステオポールは肉芽や瘢痕に置き換わって時間が経って硬いまま残ることが多く、鼻先にぽちっとオステオポールの形が浮いてきたり、皮膚が薄くなって赤みが出て不自然になったりする症例が多発しています。
新しく実験的で、長期的なリスクがはっきりわかっていない治療ですので、将来的なリスクがあることは否定できません。
鼻先が赤くなってきたり、形が浮いてきたので除去したい・軟骨に入れ替えたいといと来院され当院で修正手術をおこなうケースがしばしばあり、見た目問題ないケースでも将来不安なので除去したいという方も多いです。
手術はオープン法でオステオポールの残骸や瘢痕をすべて除去しますが、それだけでは鼻先が低くなってしまいますので、オステオポールで変形した軟骨を修正してストラット(軟骨の柱)を立てて土台を整えながら軟骨移植をおこなって高さを補います。
また薄くなって皮膚に厚みを出すように軟部組織を皮下に移植します。
オステオポールで不安やお困りの方は、軟骨移植を組み合わせた修正手術を行っていますのでご相談ください。
オステオポールについて動画でも解説していますのでご覧になってください。
(私がオステオポールをおすすめしない理由)
(オステオポール除去、鼻修正の整形のビフォーアフターを症例写真付きで解説)
(オステオポールを除去する鼻の修正手術を解説)
当院では無料カウンセリングを実施しています
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経験豊富なスタッフが対応いたします
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新着の症例写真
こんな人におすすめ!
- 鼻先が低い、アップノーズ気味な方
- あまり大きな手術をしたくない
- 鼻先に高さを出したい、鼻先を下方に伸ばしたい
鼻尖軟骨移植(耳介軟骨移植)の料金
鼻尖軟骨移植 | |
---|---|
単独 | ¥305,800 モニター価格¥259,930 |
鼻尖縮小と組み合わせた場合 | ¥217,800 モニター価格¥185,130 |
ストラット(支柱) | ¥162,800 モニター価格¥140,800 |
鼻尖軟骨移植(耳介軟骨移植)施術当日の流れ
手術はクローズ法でおこないます。
通常鼻尖縮小術と合わせて行うことがほとんどで、まずは鼻尖縮小術で両側の鼻翼軟骨を寄せて土台をしっかり整えます。
あらかじめ耳から耳介や耳珠軟骨を採取し移植軟骨を作成します。 高さを出すために上方は2枚重ね以上にすることが多いです。
しっかり伸ばしたい方では厚みのある軟骨を使用したり、3枚重ねで行うこともあります。
長期的に軟骨の形が浮き出ないように、移植軟骨の角は斜めにカットして滑らかにしておきます。
また、状況に応じて、より鼻先の形なりになじみやすいように移植軟骨に網目状に切れ込みを入れる場合もあります。
軟骨膜まですべてカットするとバラバラになってしまいますので、裏の軟骨膜は一枚残して軟骨のみに切れ込みを入れます。
切れ込みを入れることで、長期的に軟骨の形や角がなるべく浮かないように、鼻先の形がより自然になるように工夫します。
鼻先を下からのぞいた図です。
移植軟骨を鼻先のラインを伸ばしたい方向に乗せて(onlay)固定します。
お客様のご希望に合わせて、あらかじめオーダーメイドで作った原寸大のシュミレーションの型紙を合わせて見て、軟骨の厚みや固定する位置を微調整していきます。
このようにすることで、より正確に鼻先の形をコントロールすることができます。
鼻先を剥離した際に採取してとっておいた軟部組織や、軟骨を採取した際の軟骨膜を軟骨上に乗せてカバーすることで、軟骨の形が浮き出ないようにします。
柔らかい軟部組織を載せることで、ラインを滑らかにし延長効果もさらに高めることができます。
軟部組織は吸収されていきますが、瘢痕組織に置き換わり、皮膚と軟骨の間にスペースを保つことで、プラスアルファの高さを出すだけでなく、軟骨の形がなるべく浮かないようにもします。
日本人の方は鼻翼軟骨が小さいことが多く、単に軟骨を乗せても、皮膚の硬さに負けて土台の鼻翼軟骨が沈み込んでしまってイメージ通りに高さが出ないことも多いです。
その場合、両側の内側脚から中間脚の間にストラット(耳介軟骨)を挟み込んで固定するのが良いです。
そうすると直後から鼻先を正面方向から押しても押し込まれずにしっかり鼻先の高さを保つことができます。
軟骨が弱い方や、正面方向に高さを出したい方には必須の施術です。
多くの方ではストラットを立てるほうが形がきれいに出やすいためおすすめです。
最後に、移植した軟骨にアンカーの糸を通して位置がずれないように、また、なるべく延長効果が出やすいように糸を皮膚から外に出して鼻先の軟骨を引っ張った状態でギプスに固定(プルアウト固定)します。
耳の軟骨採取部分には血腫予防のためにガーゼの圧迫固定(ボルスター固定)をおこないます。
術後5日後にご来院いただき、ギプスと耳の固定を除去し、抜糸をおこないます。
以上が鼻尖軟骨移植の流れでした。