20年以上の実績を持つ美容外科専門医。丁寧で繊細な施術でお客様の望む実現を目指す。 「お客様のもつ本来の美しさを引き出す」ことをモットーに「もとび」美容外科クリニックを設立。
【シミ取り】老人性色素斑、そばかす、ADM、肝斑の見分け方と治療方法
作成日:2025.6.29
しみがあると？
シミがあるとお肌が汚く見えて、 老けた印象に見えてしまいがちです。
気にしている方も多いのではないでしょうか。
お顔が老けて見えてしまう原因には、 大きく3つあると言われています。
しわ、たるみ、肌の老化の3つです。
シミは３大老化の一つ肌の老化にあたり、 多くの人が悩む代表的な老化の一つです。
イラストでシミの目立つ人とそうでない人を 比べてみますと、しわ、たるみがある方で あってもシミがあるだけでかなりお顔の印象が老けてしまうのでわかりますね。
シミの原因
シミはお肌にメラニン色素が蓄積したもので、多くは紫外線が原因で出来るものです。
他にもメイクや洗顔、スキンケアでのこすりすぎ、ホルモンバランスの崩れ、炎症、睡眠不足、ストレス、などいろいろ原因があります。
しみは、紫外線の影響で悪化します。
紫外線を浴びると体はメラニン色素で肌を黒くすることで、組織を守ろうとします。
通常、メラニンを含む細胞は、新陳代謝により剥がれ落ちますが、老化と共にこの代謝がうまくいかずそのまま色素として皮膚に残ってしまうのがいわゆる「シミ」です。
シミの種類
一口にシミと言ってもいくつか種類があります。
一般的なポイントのシミは、老人性色素班と呼ばれるものです。
あとは、そばかすも雀卵斑と呼ばれ有名なシミの一つです。
また、皮膚の深いところにメラニン色素が沈着するAMD（真皮メラノサイトーシス）というシミもあります。
さらに、治療の厄介な肝斑というシミもあります。
肝斑の場合、一般的なしみの治療ではかえって悪化してしまいます。
しっかり鑑別して別の治療が必要なため、覚えておいてください。
以上が大まかなしみの種類ですが、単発でなく、混在していることも多く、シミによって治療が異なってきますので鑑別が重要になってきます。
それでは、これからしみの種類とその治療についてそれぞれもう少し詳しく見ていきましょう。
老人性色素斑
スポットでできる一般的なしみのことです。 SKとも呼ばれています。
老化や紫外線によるダメージで発生して、大きさはいろいろで、顔の側面にできやすいです。
老人性と言っても、お若い方にもできるシミですが、分類的にこのように呼ばれています。
シミの部分にはメラニン色素が多く、表皮にも厚みがあります。
進行すると厚みがでて盛り上がります（脂漏性角化症） 。
厚みが強い場合は厚みを削る治療が必要になることもあります。
老人性色素班はレーザーやIPL（光・フォト治療）に反応しやすいシミです。
治療としては、レーザーやIPLが効果的です。
塗り薬ではトレチノインとハイドロキノンを使用する治療もあります。
効果はマイルドになりますが、レーザートーニングやケミカルピーリングなどの治療もあります。
そばかす(雀卵斑)
そばかすは皆さんご存じのシミかと思います。 雀卵斑とも呼ばれています。
学童期に発症し、色白の乾燥しやすい肌の人に多い傾向が あります。
数ミリの細かなしみが図のように、鼻根を中心に 左右対称に散在します。
レーザーやIPL治療で改善しやすいですが、長い経過で再発することも多いしみです。
治療としては、こちらもレーザー治療やIPL治療が効果的です。
ADM（真皮メラノサイトーシス）
アジア人特有のしみで、成人してから発症することが多いです。
表皮より深い真皮の部分にメラニン色素が増えてシミになります。
深い所のメラニンなので少し灰色や青みがかったシミになります。
肝斑を合併していることも多いです。
しみの分布と形態は特徴的で、図のようになります。
ざっと言うと、ふくらんでいる部分は点状に、凹んでいる部分はべたっとした、そういうシミになります。
深い所のメラニンですので治療はしっかりレーザーを当てる必要があります。
IPLやトーニングでは効果はあまり出せません。
肝斑
さて、重要なシミ、肝斑についての説明です。
肝斑とは、こすりすぎや乾燥などで皮膚のバリア機能が破壊されておこるしみ、色素沈着です。
通常メイクや洗顔、スキンケアでこすりすぎたり、ホルモンバランスの変化などが主な原因と言われています。
男性で肝斑の方は多くはないですが、メイクをする方には肝斑がいらっしゃるようです。
肝斑の好発部位は図のような感じになります。
好発部位は骨が突出していてこすれやすい部分がなりやすいです。
肝斑は炎症によるシミですので、レーザー治療などの強い治療では、かえって炎症が悪化してシミが濃くなってしまいますので慎重に治療する必要があります。
ですので、肝斑の鑑別は重要です。
肝斑は、他のシミを合併していることも多いのでそこの見極めも大事になります。
肝斑の治療については少しやっかいで、通常のしみの治療とは異なって、積極的に治療をおこなっていくのは難しくなります。
少しずつ、少しずつしみを落ち着かせていくイメージになります。
肝斑に有効な治療は３つあって、
①トラネキサム酸の内服治療
②低出力のレーザー治療であるレーザートーニング
③日常のケアの３つになります。
内服治療はトラネキサム酸というお薬を月単位で内服するのが良いです。
※ただし、トラネキサム酸は血栓ができやすくなるため、血栓ができやすい方や、ピルを内服している方では控えてもらっています。
当院ではまずは３ヶ月の内服をお勧めしています。
シミ予防のためにビタミンCを併用することも多いです。
２番目のレーザートーニングは、低出力でレーザーをあてることで、沈着してしまったメラニンを少しずつ飛ばしていきます。
低出力なので繰り返しの照射が必要で、まずは２週間～１か月ごとに６回以上の照射が必要になります。 
日常のケアに関しては、メイクなどであまり肌をこすらないこと、しっかり保湿してお肌のバリア機能を取り戻すことが肝斑を治すのにとても重要です。
まとめ
以上、主なお顔のシミの種類と治療について簡単に説明しました。
今後のコラムで施術の詳細などについては解説していこうと思いますのでご覧になってください。
今回のコラムでは、シミと言ってもいくつか種類があって、治療も変わってくるのがお分かりになったかと思います。
シミの見極めというのが大切になりますが、今回のコラムでシミの種類をご参考いただければ幸いです。
なかなかご自身でもしみの種類についてわからない方もいらっしゃるかと思います。
そのような場合は無料カウンセリングなど利用していただいてご相談いただければと思います。
